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[ニュース分析]“北朝鮮産石炭搬入”隠蔽・ほう助? 保守政党・マスコミの誤発弾

登録:2018-08-10 22:07 修正:2018-08-11 07:26
10日午後、政府大田庁舎の関税庁で、関係者が「北朝鮮産石炭などの偽装搬入事件」に対する捜査結果を説明している/聯合ニュース

 いわゆる「北朝鮮産石炭搬入疑惑」が事実であることが確認された。国内輸入法人3社が、昨年4~10月に北朝鮮産石炭・銑鉄3万5038トン(6.6億円相当)を原産地証明書を偽造して韓国国内に搬入していた事実が確認されたと10日、政府が公式発表した。関税庁は、政府大田(テジョン)庁舎で「北朝鮮産石炭など偽装搬入事件」の中間捜査結果発表を通じて、調査対象の10事件のうち7件で関税法違反などの疑惑を確認し、関連輸入業者3人と法人3社を起訴意見で検察に送致することにしたと明らかにした。

 7件のうち4件は、北朝鮮産石炭などの供給・販売・移転を禁止した国連安全保障理事会(対北朝鮮制裁)決議2371号(2017年8月5日採択)違反に該当する。残りの3件は、該当決議の採択以前であるため韓国政府の独自対北朝鮮制裁である5・24措置違反(南北交流協力法等違反)にのみ該当する。政府は、国連決議に違反した船舶4隻(スカイエンジェル、リーチグローリー、シャイニングリーチ、チルルン号)の国内入港を禁止するなど、関連事実を国連安保理傘下の対北制裁委員会に通知すると明らかにした。

自由韓国党のキム・ソンテ院内代表が10日午後、国会で北朝鮮産石炭と関連した記者会見をしている/聯合ニュース

 自由韓国党は代弁人が論評し、文在寅(ムン・ジェイン)政府が国連制裁決議違反を隠蔽・ほう助したとし、今回の事件を「北朝鮮産石炭ゲート」と命名し、国政調査を要求した。国会外交統一委員会など関連常任委を開いて、国会次元で状況と対策を点検しようと主張するなど“常識的対応”レベルをはるかに越えた。保守マスコミも政府の放置・隠蔽疑惑があるとし「セカンダリーボイコット(第三者制裁)」など米国の独自制裁の憂慮などを提起した。

 ところが、これは標的を(意識的に)間違って選んだ指摘だ。国連決議違反の主体は「国内輸入法人3社」だ。大韓民国政府は、国連決議違反事例を摘発し必要な措置を取った「制裁決議履行主体」だ。自由韓国党などの主張は「被害者」を「加害者」に入れ替えることに他ならない。事実関係と脈絡を意図的に無視した政治攻勢に近い。

 事態の経過を見れば、政府は昨年10月「北朝鮮産と疑われる石炭の第3国を経由した韓国入港事例があるようだ」という機密情報を入手した。諜報提供主体は米国政府(駐韓米国大使館)だ。国連決議2371号の採択から二カ月余りが経過した時点だ。政府はその二カ月前の昨年8月から「疑惑事例1件」を自主的に調べていたとし、米国の諜報を契機に調査・捜査対象を拡大した。国連安保理対北制裁委員会傘下の専門家パネルが、今年3月「スカイエンジェル」と「リーチグローリー」号が北朝鮮産石炭を韓国に積み出したものと“疑われる”という報告書を発表する遥か以前だ。

 政府は諜報入手の直後から、韓米共助とともに政府内関連部署協力を通じて「疑惑船舶」の検索と貨物検査、調査・捜査に入った。10日の政府発表は、捜査の中間結果発表にともなう司法措置に先んじた行政措置、国連通知計画まで含んでいる。これは、国連制裁決議の履行と関連して会員国政府が取る義務のある5段階措置をすべて備えている。(1)北朝鮮産石炭関連情報入手・共有(2)船舶検索と貨物検査(3)調査・捜査進行(4)関連者処罰(5)船舶入港禁止・抑留の5段階の措置をすべて取ったり、取る予定だという意味だ。

7일 경북 포항신항 7부두에 정박한 진룽(Jin Long)호에서 석탄 하역 작업이 이뤄지고 있다. 일부 언론과 정치인들은 진룽호가 북한산 선박을 운반했다는 의혹을 제기했지만, 외교부는 이 배에 실린 석탄이 모두 러시아산으로 유엔 안보리 제재에 위반되지 않는다는 판단을 내렸다. 포항/연합뉴스

 政府の放置・隠蔽論議、米国政府の“セカンダリーボイコット”憂慮などと関連して、3点に注目する必要がある。まず、政府が米国から関連諜報を受けて必要な措置に乗り出した昨年10月以後、少なくとも今まで、北朝鮮産石炭の国内搬入事例は確認されていない。輸入法人3社の違反時期は、昨年4~10月だ。第二に、昨年10月は北朝鮮の相次ぐ核実験・長距離ミサイル試験発射で朝鮮半島における戦争危機が議論される程に情勢が悪化した時期ゆえに「文在寅(ムン・ジェイン)政府が北朝鮮を意識してわざと隠蔽・放置した」という疑惑提起には無理な側面がある。第三に、何より関連諜報を韓国政府に提供した主体が国際社会の対北朝鮮制裁を率いている米国政府という事実が重要だ。米国から「制裁違反疑惑事例」の諜報を受けて握りつぶすというのは、無理な想像だ。実際、ヘザー・ナウアート米国務省報道官は9日(現地時間)、定例ブリーフィングで「韓国政府と緊密に協力していて(韓国政府を)信頼している」と明らかにした。セカンダリーボイコットなど米国の独自制裁は「(1)制裁違反と回避が反復的・体系的で(2)管轄国の政府が調査など十分な措置を取らなかったと判断される時」に適用が検討・推進される。政府が、今回の事件は当初から米国政府と協調してきたし、摘発主体が韓国政府である“セカンダリーボイコット”など米国の独自制裁とは何の関係もないと自信を持つ理由だ。

 政府が国連対北制裁委員会に「国連決議違反事例摘発」の事実を通知すれば、委員会は安保理15加盟国に関連事実を回覧し注意を喚起する。安保理が決議2371号に違反した船舶4隻を対北朝鮮制裁リストに新しく上げることもありうるが、中国やロシアを含む15安保理加盟国の全員一致合意が要件であるため「可能性は低い」というのが政府当局者の展望だ。

イ・ジェフン、ノ・ジウォン、イ・ジョングク、ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/857124.html韓国語原文入力:2018-08-10 19:31
訳J.S

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