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「機務司令部解体・ソン・ヨンム更迭」に進むか…文大統領、三度目の指示

登録:2018-07-27 10:06 修正:2018-07-28 07:05
国軍機務司令部=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 「問題の本質は、戒厳令文書の真実を明らかにすること」という26日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の発言は、ろうそく市民を相手にした朴槿恵(パク・クネ)政権の軍部の民主主義武力鎮圧とクーデター模擬という核心から外れ、文書報告の過程をめぐる泥仕合の様相を呈している流れを傍観しないという意志が込められていると言える。さらに、文大統領は見苦しい攻防を繰り広げたソン・ヨンム国防長官と国軍機務司令部の双方に「相応の措置」を取ると明らかにしたことで、今後の大々的な人事措置を予告した。

 文大統領は機務司令部戒厳令の文書問題が浮き彫りになった後、二度にわたって指示を下した。文大統領はインド国賓訪問中だった10日に戒厳令文書に関する国防部の独立捜査団の構成を指示し、16日には「国防部、機務司令部と各部隊の間でやり取りされたすべての文書と報告を直ちに提出せよ」と指示した。この指示は、いずれも光化門(クァンファムン)と汝矣島(ヨイド)に戦車や装甲車、武装兵力を投入し、平和なろうそくデモを武力鎮圧し、国会の戒厳解除権限を遮断するなど、機務司令部の憲政蹂躙謀議に対する真実究明に焦点が当てられたものだった。しかし、その後の流れは文書の内容ではなく機務司令部文書の報告過程をめぐる政界の攻防に流れ、ついに国会ではソン長官と機務部隊指揮官が公開的な真実攻防を繰り広げる状況まで生じた。このため、文大統領は本質がぼかされる様相に強い懸念を感じたものとみられる。大統領府関係者が「月を見るべきであって、月を指している指を見る必要はない(文書の真相究明に焦点を当てよ)」ともどかしさを滲ませるほどだった。

(左)ソン・ヨンム国防部長官が26日午前、ソウル龍山区国防部庁舎に出勤しながら電話で話している。(右)国軍機務司令部のソ・ガンウォン参謀長がこの日午後、国防部特別捜査団に出頭し、「調査に誠実に臨む」と述べている/聯合ニュース、カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 文大統領が「機務司令部改革の必要性がさらに高まった」と述べた背景は、本質が誤導された裏に、機務司令部の組織的な反発があるという判断のためようだ。特に、機務司令部は前日「衛戍令は間違ったことではない」というソン長官の発言が含まれた長官主宰の懇談会動静文書を異例に公開し、ソン長官の嘘の疑惑を拡散させた。文大統領はこのような過程を、改革に反発する機務司令部の組織的な動きと判断したようだ。キム・ウィギョム大統領府報道官は「(文大統領が)今繰り広げられている様々な葛藤の様相を見ながら、そのように判断したようだ」と話した。与党指導部もこのような文大統領の認識と一致した。ホン・ヨンピョ院内代表は民主党政策調整会議で「機務司令部の事件の本質は内乱陰謀だ。これをぼかせようとするいかなる試みもあってはならない」とし、機務司令部の改革ではなく、事後報告の「真実攻防」に流れている様相を警戒した。彼は「機務司令部改革の本質をぼかす動きが続いている。機務司令部の関係者たちは昨日も事後報告の経緯をめぐる真実攻防を煽る暴露を出し、一部の野党が便乗している」とし、「機務司令部改革に反対する組織的抵抗ではないかという疑問を抱く」と話した。キム・テニョン政策委議長も「誰が嘘をついたのか、ついていないのかが本質ではない」とし、「重要なのは報告書が作られた背景」だと話した。

 文大統領は近いうちに機務司令部改革を完了するという意思を強く示した。文大統領は「機務司令部改革TFがすでにかなり検討をしたと聞いている」とし、「機務司令部改革案を急いで提出してほしい」と催促した。最近、チャン・ヨンダル機務司令部改革委員長が「国民が不信を持ち改革をしても信じられない状態が来るなら、解体して新しくスタートしなければならないのではないか」という発言をしたことから推測すると、文大統領は機務司令部の解体という特段の措置まで念頭に置いているものとみられる。キム報道官は「適切な時点で文大統領が報告を受けるだろう」とし、「チャン委員長がTFで議論を急いでいるものと思われる」と話した。

(左)ソン・ヨンム国防部長官が26日午前、ソウル龍山区国防部庁舎に出勤しながら電話で話している。(右)国軍機務司令部のソ・ガンウォン参謀長がこの日午後、国防部特別捜査団に出頭し、「調査に誠実に臨む」と述べている/聯合ニュース、カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 さらに、文大統領は「機務司令部改革TFの報告の後、その責任の軽重について判断し、相応の措置を取る」と述べ、ソン長官に対しても厳重に責任を問うことを明らかにした。ソン長官は相次ぐ機務司戒厳令の文書漏れ・不十分な報告で議論の口実を与え、下級指揮官と真実攻防を繰り広げ、自ら「命令が通らない」姿を見せた。キム・ウィギョム大統領府報道官は「相応の措置に更迭も含まれるのか」という質問に「責任を問い詰めてそれによって判断されるだろう」と答え、更迭の可能性を示唆した。大統領府は、ソン長官を交代させた場合、国防改革案推進に支障を来たすことになり、人事聴聞会を通過する適任者を探すのが難しいという点で苦心を重ねてきた。しかし、文書報告の過程で明らかになったソン長官の未熟な判断と国会での嘘の攻防事件で打撃を受けた彼の軍の掌握力を考慮すれば、もはや再信任することが難しいという判断を下したものとみられる。

 野党はこの日も重ねてソン長官の退陣を要求した。キム・ソンテ自由韓国党院内代表はこの日、議員総会後に記者団と会い、「ソン長官の辞任要求はすでに自由韓国党の立場だった」とし、「ソン長官が嘘の供述で国会と国民をだましたことが明らかになれば、それに対する法的責任を負わなければならない」と明らかにした。キム・グァニョン正しい未来党院内代表は「戒厳文書の本質は、文書作成の経緯、報告の経緯など」だとし、ソン長官が自ら辞任しなければ他の野党と共に解任建議案を推進すると明らかにした。

ソン・ヨンチョル、チョン・ユギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/855124.html韓国語原文入力:2018-07-26 22:54
訳M.C

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