米国の半導体企業クアルコムの大規模買収交渉が、中国の反対で失敗に終わり、中国市場の門を叩いてきたフェイスブックの進出の試みも挫折した。米国が中国の先端企業の自国進出や成長を抑制する中で、中国も“目には目”で対抗していると見られる。
クアルコムは25日、オランダのNXP半導体買収計画をあきらめると発表した。モバイル半導体1位のクアルコムが、車両用半導体専門企業のNXPを440億ドルで買収するという計画は、半導体業界史上最大のビッグディールとして「世紀の取引」と呼ばれてきた。クアルコムは2016年に買収計画を明らかにした時、価格として380億ドルを提示したが、NXPの株主が反対すると今年初めに16%高い価格で合意がなされた。しかし、合併終了期限の25日までに手続きを終えられず、計画が水泡に帰した。
クアルコムの計画を失敗させたのは中国だ。吸収合併が超大型半導体企業の誕生を意味するだけに、半導体関連各国の反独占当局からの承認を得なければならなかった。韓国と欧州連合(EU)の反独占当局が1月に条件付き承認をするなど、9カ国のうち8カ国は承認したが、中国は米国との貿易戦争局面で承認を先送りした末に、結局タイムリミットを過ぎることになった。
5月までは中国が吸収合併を承認するという展望が多かった。米国が中国の通信企業である中興通訊(ZTE)に対する制裁を緩和したことに中国も応え、貿易摩擦が緩和されるという観測だった。しかし、ドナルド・トランプ米大統領が貿易戦争を激化させ、軋轢はむしろ強まった。クアルコムのスティーブ・モレンコフ最高経営者は「明確に私たちより上にいる何者かによって中断された」として、中国に矛先を向けた。
こうしたなかで、フェイスブックは子会社「フェイスブック・テクノロジー」を中国浙江省の杭州に設立する計画が失敗に終わったことがこの日知らされた。前日には設立計画が中国当局の承認を受けたと中国企業信用情報公示システムを通じて知らされたが、26日には中央政府が遮断したという報道が出てきた。ある消息筋はニューヨーク・タイムズに「浙江省と中央政府の機構である国家インターネット情報弁公室の見解の違いで、承認が取り消された。インターネット情報弁公室はより緊密な協議がなかったと怒った」と伝えた。
フェイスブックは、新疆ウイグル自治区分離独立主義者が利用しているという理由で、2009年から中国では接続が遮断された。しかし最高経営者のマーク・ザッカーバーグが足繁く中国を訪問し、指導者や若年層に会い、中国支社の開設を申請したり中国市場用の写真共有アプリを発売し再進出の努力をした。
クアルコムとフェイスブックの挫折は、米国がZTEや華為など中国企業の自国市場進出を阻み制裁する状況と似ていた。中国が米国の高率関税賦課に対抗して、同額の米国商品に報復関税を賦課する様相とも似ている。
今回のことは、成長展望不振で株価暴落を体験したフェイスブックにとってもう一つの新たな痛恨のニュースだ。フェイスブックはこの日、42%増えた132億3千万ドルの第2四半期売上を発表したが、時間外取引で株価が一時24%も下落した。この基準で時価総額は約1500億ドルが消え失せた。売上と純利益は30~40%の増加率を見せたが、売上は市場の予想を下回った。前年同期比利用者増加率(11%)も市場の期待値(13%)に達しなかった。