本文に移動

米国防総省「北朝鮮に遺骨発掘・送還の費用を支給する権限ある」

登録:2018-07-12 06:33 修正:2018-07-12 07:50
朝鮮戦争当時、北朝鮮で戦死した米軍の遺骨5柱が1998年10月、板門店で国連軍司令部将兵らに引き渡されている=イ・ジョンウ「ハンギョレ21」記者//ハンギョレ新聞社

 朝鮮戦争当時戦死した米軍の遺骨の送還に向けた朝米実務協議が12日に予定されている中、米国防総省が「遺骨の発掘に伴う作業費用を支払う権限がある」というは立場を明らかにした。ただし、現在、北朝鮮の遺骨送還の是非と時期を断定できない状況で、今後の送還過程における費用の処理問題を論ずることは不適切だと線を引いた。

 「ボイス・オブ・アメリカ」放送は10日、米国防総省の戦争捕虜・戦闘行方不明者集計局(DPAA)報道官室が「米国政府は政策上、いかなる政府や個人にも対しても行方不明になった米国人の遺骨に対する見返りとしてお金を支給しない。しかし、我々は米国人の遺骨を発掘して送還する過程で発生する費用を弁償する権限を持っている」と明らかにしたと報道した。過去、米軍遺骨送還の際に米国政府が北朝鮮に支給した金額を確認してほしいという「ボイス・オブ・アメリカ」の要請に対する答弁だった。「ボイス・オブ・アメリカ」は米軍当局がお金を支給して遺骨を引き渡してもらう取引ではないことを明確にしたものだと報じた。

 米国防総省の戦争捕虜・戦闘行方不明者集計局の報道官室の関係者の話を総合すると、米国は1990年から2005年までに北朝鮮から約629柱と推定される遺骨を引き渡してもらった。身元が確認された遺骨は334柱である。この過程で、米国政府が北朝鮮に渡した“費用”は約2200万ドルで、遺骨一柱当たり約3万5000ドルを支給したわけだ。

 また、米国は1990年から4年間、米軍の遺骨が入った箱208個を北朝鮮から受け取ったが、この中には約400柱の遺骨が収められていたことが判明した。

 朝米はこれまで合わせて33回にわたり、合同発掘を行った。1996年から2005年まで続いた朝米合同調査団は、北朝鮮で229柱の遺骨を発掘した。このうち153柱の身元が確認され、米国は約1900万ドルを支給したと同関係者は「ボイス・オブ・アメリア」に説明した。

 ただし、「今回の遺骨送還の際も北朝鮮側に費用を支給するか」を問う取材陣の質問には、「北朝鮮から遺骨を返してもらえるかどうか、そしていつ引き渡してもらえるかもまだ分からないため、答えられない」とし、「現時点で支払金について言及するのは時期尚早であり、不適切だ」と答えた。

 米軍の遺骨の送還は6・12シンガポール朝米首脳会談の合意事項であり、12日の朝米実務協議以降、具体的な論議が本格化する見込みだ。ロバート・マニング米国防総省報道官は9日(現地時間)、記者団に「国連軍司令部が北朝鮮から遺骨を受け取って本国に送還するだろう」とし、「北朝鮮は遺骨送還を開始するだろうし、韓国の国連軍司令部は遺骨を受け取る準備ができている」と明らかにした。さらに、「彼らは適切な輸送物資を移動させており、我々は外交手続きが終わるのを待っている」と述べた。これに先立ち、在韓米軍は先月の遺骨送還に使われる木箱約100個を板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)に移送し、遺骨を米国に送るときに必要な金属棺158個を京畿道烏山(オサン)空軍飛行場に保管していると発表した。

 米国防部は、朝鮮戦争当時、米軍7697人が行方不明となっており、このうち北朝鮮地域で戦死した遺骨が5300柱に上るものと推算している。今回遺骨送還が行われた場合、2007年以降11年ぶりとなる。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/852814.html韓国語原文入力:2018-07-11 11:51
訳H.J

関連記事