ドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が今月12日、シンガポールで合意した「朝鮮戦争米軍戦死者遺体送還」手続きが早ければ数日内に始まると見られる。8月の乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン演習の猶予が、朝米首脳会談以後に韓米による初の信頼構築措置ならば、米軍遺骨送還は北朝鮮側の初の信頼表示ということができる。
複数の米国政府関係者たちは19日(現地時間)、米国メディアに北朝鮮が今後数日内に朝鮮戦争で失踪した米軍を含む兵士たちの遺骨を送還する手続きを始める可能性があると明らかにした。北朝鮮は、韓国にある国連軍司令部に遺骨を送還し、その後遺骨はハワイの空軍基地に移送される予定だと米国政府関係者は伝えた。
遺骨の送還日と場所はまだ確定していない。これと関連して米国政府関係者は、CNN放送に対してホワイトハウスが遺骨を直接収拾するために平壌(ピョンヤン)に特使を派遣する可能性があると話した。
北朝鮮は過去数年間に発掘した最大200体の米軍遺骨を送還すると発表した。米国防総省は、朝鮮戦争当時に失踪した米軍は合計7697人で、このうち戦死して北朝鮮の地に埋められている遺骨が5300体にのぼると推算している。これに先立ってトランプ大統領は、朝米首脳会談の後の記者会見で遺骨送還問題を強力に提起し、朝米共同声明に含ませ、金委員長が直ちに始めることを約束したと明らかにした。
遺骨の送還がなされる場合、2007年以来11年ぶりとなる。1996年から2005年の間に朝米合同調査団が北朝鮮で200体余りの遺骨を発掘したが、ジョージ・ブッシュ行政府になって朝米関係が悪化して、こうした作業に現金がかかるという理由などで活動が中断された。
米軍遺骨発掘・送還作業と、これに参加した北朝鮮労働者に対する労賃の提供は、戦死者に対する礼遇の思いから米国社会では拒否感なく受け入れられている。これに伴い、朝米関係の雪溶けの局面ごとに最初の信頼構築措置として繰り返し議論されてきた。