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ポンペオ長官、板門店協議控えて「遺骨送還」を強調

登録:2018-07-11 05:52 修正:2018-07-11 07:11
マイク・ポンペオ米国務長官が今月9日、アフガニスタンのカブールの米軍基地に降り立っている=カブール/ロイター、聯合ニュース

 12日頃に予定された朝米間の「朝鮮戦争当時の米軍戦死者遺骨送還」会談を控え、ドナルド・トランプ政権が交渉の進展に対する期待感を連日ほのめかしている。トランプ大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の非核化の意志に対する信頼を再確認した。マイク・ポンペオ国務長官の訪朝結果に対する懐疑論を正面突破し、交渉の動力を維持するという強い意志を示すと同時に、北朝鮮に“軟性圧迫”を加えているものと見られる。

 ポンペオ長官は9日(現地時間)、ツイッターを通じて「私がハノイに到着する前にベトナムが米軍の遺骨2柱を引き渡した」としたうえで、「45年前に行われたこれと同じ措置により、米国とベトナム間の信頼が構築された。現在、我々は強力な関係を結んでいる」と述べた。さらに、「北朝鮮も、遺骨の送還を約束した」とし、「このような処置は、米国と北朝鮮間の信頼と確信を構築するだろう」と強調した。

 これに先立ち、ポンペオ長官は8日にベトナムの財界関係者らに会った席でも、「過去数十年間行われた驚くべきベトナムの成長のカギは米国との新たな関与(対話・交流)」だとし、「このような関与はベトナムで死亡した米軍の遺骨を送還するための協力から始まった」と述べた。

 ポンペオ長官のこのような発言は「遺骨送還」が朝米関係改善の第一歩という米国側の“タイムテーブル”を反映している。また、「非核化会談」の結果が出る前までかなりの時間がかかる現実の中、米国の世論を友好的に変えられる遺骨送還を通じて、交渉の動力を維持することを目指しているものと見られる。

 これを踏まえ、米国は遺骨送還交渉を控えて、北朝鮮の友好的かつ前向きな回答を求めているものとみられる。ポンペオ長官は、朝米高官級会談を終えた今年7日、「1日か2日、日程が変わる可能性があるものの、12日に板門店(パンムンジョム)で、(朝米の)遺骨送還担当者間の会談を開くことにした。会談は何日も続くだろう」と明らかにした。

 これと共に、トランプ大統領は9日、ツイッターを通じて「私は、金正恩が我々が署名した契約と、さらに重要な意味を持つ我々が交わした握手を尊重すると確信する」としたうえで、「我々は北朝鮮の非核化に合意した」と明らかにした。金委員長に対する信頼を媒介として非核化の意志に対する楽観論を表明すると同時に、金委員長に非核化の約束を想起させる“柔らかい圧迫”といえる。トランプ大統領がポンペオ長官と金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長が6~7日に平壌(ピョンヤン)で行った高官級会談以来、立場を表明したのはこれが初めてだ。

 トランプ大統領はさらに、「他方、中国の貿易に対する我々(米国)の態度のため、中国が(朝米)交渉に否定的な圧力を行使しているかもしれない。そうでないことを願う!」と付け加えた 「中国黒幕論」を再度言及し、警戒感を示したのだ。中国が米国の攻勢に対抗し、制裁の緩和などによって北朝鮮に対する影響力を高めることで、対米貿易交渉のカードとして使うのではないかという認識を示したわけだ。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/852699.html韓国語原文入力:2018-07-10 20:50
訳H.J

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