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[社説]休戦ラインの長射砲移転、南北間協議を期待

登録:2018-06-27 08:27 修正:2018-06-27 09:50
文在寅大統領と金正恩国務委員長が27日午後、板門店の平和の家で開かれた南北首脳会談で、朝鮮半島の平和、繁栄、統一のための板門店宣言文に署名し、お互い手を取り上に掲げている//ハンギョレ新聞社

 韓国軍が毎年北西部のNLL(北方限界線)の近隣島で独自に実施している実射撃訓練の中断を検討しているという。K9自走砲などを動員した西北諸島の実射撃訓練は、北朝鮮が毎度敏感な反応を見せてきた、南北軍事衝突の危険要素の一つだ。2010年11月、北朝鮮による延坪島(ヨンピョンド)砲撃もこの訓練が口実になって起きたものだ。韓米がフリーダムガーディアン演習や海兵隊の合同演習を中断したのに続き、韓国軍も単独訓練の中断に進むなら、朝鮮半島の対話の雰囲気を拡大して軍事的緊張を緩和するのに大きく貢献することは明らかだ。南北米の3国が互いに協力してこのような流れを育てる必要がある。

 これと関連して25日に李洛淵(イ・ナギョン)首相が6・25記念式で「北朝鮮の長射砲の後方移転が議論されている」と言及した話は、注目するだけのことはある。首相室はこの発言が議論になるとすぐ「南北間でこの問題が議論されているのではなく、韓国政府内部で検討している」と一歩引いた。これに先立つ14日の第8次南北将軍級軍事会談でも、長射砲移転の議論が始まったという見方がされていたが、国防部は否認した。しかし、首相室の説明で、韓国政府が長射砲の後方移転問題を北に議題として提示する意向があることが明らかになったといえる。

 軍事境界線の最前方に集中配置された北朝鮮の長射砲は、核兵器の次に威嚇的な在来式の主要武器とされている。軍事境界線付近に1000砲程度が配置されており、このうち330砲余りが首都圏を狙っているものと把握されている。この砲が後方に移されれば、休戦ライン一帯の軍事的緊張は明確に解けるだろうということは言うまでもない。しかし、北朝鮮が核兵器をあきらめることにしたうえ、長射砲まで後方に下げることは容易ではないだろう。したがって長射砲を後方に移すからには、韓国も相手の立場を考える精神を発揮し、北朝鮮の安保憂慮を減らす相応の措置をする必要がある。

 南北首脳は4・27板門店宣言で「朝鮮半島の尖鋭な軍事的緊張状態を緩和し、戦争危険を解消するために共同で努力する」と合意した。この宣言を実践するために、南北は軍事境界線一帯の拡声器の放送を中断し、南北軍事会談も開いた。これは始まりにすぎない。非核化のプロセスとは別個に、北朝鮮が長射砲の後方移転を断行するならば、朝鮮半島の平和進展に大きな足跡になりえるだろう。北朝鮮の決断を期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/850744.html韓国語原文入力:2018/06/26 19:02
訳T.W

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