中国の習近平国家主席が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に、朝米首脳会談の際、朝鮮戦争の終戦宣言を保留するよう要請したと、日本のマスコミが報道した。
東京新聞は匿名の中朝関係筋を引用し、先月初めに中国の大連で開かれた朝中首脳会談の際、習主席が金委員長に「終戦宣言には北朝鮮と共に(朝鮮戦争に)参戦した中国の参加が必要だという考え方を説明」したとし、このように報じた。同紙は、習主席が朝米首脳だけが終戦宣言をすることについて難色を示したとも報道した。また、中国は今月12日の朝米首脳会談まで、中国抜きの終戦宣言に対する反対意思を北朝鮮に重ねて伝えたとも報じた。中国の「環球時報」は、朝米首脳会談の直前に「終戦宣言への署名では中国の参加が不可欠である」という内容の社説を掲載した。
朝米首脳会談当時、朝鮮戦争の終戦宣言が行われるかどうかは大きな関心事だった。4月27日の南北首脳会談で発表された「板門店(パンムンジョム)宣言」には「南と北は、停戦協定締結65年になる今年に終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に切り替え、恒久的で堅固な平和体制の構築に向けた南北米3者または南北米中4者会談の開催を積極的に推進していくことにした」という内容が盛り込まれたからだ。
これに先立ち、朝日新聞は、習主席が大連で開かれた朝中首脳会談の際、金委員長に「朝米首脳会談の際、韓米合同軍事演習の中断を要求するよう」提案したと報道した。
一連の日本のマスコミの報道内容が事実なら、中国が朝鮮半島問題について自国の存在感を高めるため、北朝鮮に積極的に自分たちの要求を伝えたものとみられる。東京新聞は「朝米首脳会談の共同声明に終戦宣言が盛り込まれなかった理由について、当初は北朝鮮に対する譲歩が先行するのを米国側が嫌ったという見方が強かったが、中国の意向が働いた可能性が大きいことがわかった」とし、「米中両大国が北朝鮮を挟んで、朝鮮半島情勢を巡り主導権を争う構図が改めて浮き彫りになった」と分析した。