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大統領府、朝米会談1カ月後に控え「平和仲裁」動きを加速化

登録:2018-05-12 06:20 修正:2018-05-12 06:52
文在寅大統領とドナルド・トランプ米大統領//ハンギョレ新聞社

 朝鮮半島の非核化と平和体制定着の尺度となる朝米首脳会談の時期と場所が確定されたことで、大統領府の動きも再び加速化している。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とドナルド・トランプ米大統領の成功的な会談に向けた朝米間の直接接触が増えたが、状況をここまで導いてきた“仲裁者”の役割が依然として重要であり、朝米会談以降を視野に入れた戦略を整えなければならないからだ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と大統領府の参謀らは、朝米会談の成功を前提に、「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店(パンムンジョム)宣言」で南北首脳が合意した「年内に終戦宣言と恒久的平和体制構築に向けた3者または4者会談」をいかに進めるかについての構想に入ったものと11日、伝えられた。

 南北首脳の執務室に置かれたホットライン(直通電話)は、この構想の方向がある程度定まった後に稼動されるものと見られる。南北首脳間で初の電話会談は、22日に米国のワシントンで開かれる韓米首脳会談以前に行われる可能性が高い。板門店で朝米首脳会談が開かれる場合、それに続いて南北米首脳の歴史的な会合を行う計画だったが、計画を変更しなければならなくなったからだ。大統領府関係者は「南北首脳間の電話会談が近いうちに行われるだろう」と話した。これまで大統領府関係者らは南北首脳間の電話会談と関連し、「朝米会談の日程の発表後に行われるだろう。金委員長と話し合う素材が必要だ」と説明してきた。

 文大統領は韓米首脳会談の前に、朝米会談後の構想について金委員長と先に協議するものとみられる。南北首脳間の電話会談が実現されない場合は、5月中の開催が有力視される南北高官級会談で協議する可能性もある。大統領府関係者は「朝米会談関連の内容は、国家安全保障会議中心に議論する予定であり、板門店宣言履行推進委員会は分科別の議論を行っている」と話した。朝米首脳会談の結果と連動しない南北間の軍事的緊張緩和と戦争の危険の解消に向けた南北間接触などは、当初の計画通り推進するものと見られる。

 金正恩委員長が4・27板門店首脳会談の時に明らかにした「5月中の北部(豊渓里)核事件場の閉鎖(廃棄)」の時期と公開方式も、南北間の協議を通じて決定される見込みだ。北側は核実験場の廃棄の透明性を高めるため、韓国と米国の専門家とジャーナリストを招待し、閉鎖場面を公開する方針を示した。

文在寅大統領が今月8日、閣議を主宰している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文大統領の外交日程は、朝米首脳会談の前後にも目白押しだ。来月8~9日にカナダで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議に出席する可能性もある。韓国は参加国ではないが、議長国のカナダが招待し、他の参加国が同意すれば、オブザーバーとして参加できる。主に経済問題を扱う会議体だが、朝米首脳会談を控えて開かれるだけに、朝鮮半島問題が主な議題として取り上げられる可能性が高く、参加国首脳らが文大統領の長期構想を直接聞きたがるかもしれない。

 ロシアワールドカップが開催される6月末には、韓ロ首脳会談が開かれる可能性が高い。ロシアのプーチン大統領が招待しており、文大統領がこれを断る理由はない。かつて北朝鮮の核問題解決に向けた6カ国協議の当事国でもあったロシアは、朝鮮半島の非核化と平和協定の締結以降、東北アジア多国間安保協議体を構成する場合、ここに参加する可能性が高い。また、朝米首脳会談の前後に朝ロ首脳会談が行われることもあり得る。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/844279.html韓国語原文入力:2018-05-11 22:05
訳H.J

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