南北は31日から1泊2日間、北側の江原道元山(ウォンサン)の馬息嶺(マシンニョン)スキー場で両スキー選手たちの合同訓練を実施する計画であることが分かった。北朝鮮が来月4日に予定されていた金剛山(クムガンサン)地域南北合同文化行事を電撃的に取り消したが、その他の南北合意事項はそのまま履行されるもようだ。
統一部当局者は30日、「馬息嶺スキー場の合同訓練と関連しては、北側と大きな意見の違いはない状態」だとし、「すでに合意した通り、予定された訓練を進めることができるものとして、最後の準備を続けている」と話した。南と北は17日に開かれた次官級実務協議で、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕前に北の馬息嶺スキー場で南北スキー選手たちの合同訓練を進めることで合意している。
合同訓練のための訪朝団は、選手と支援団など約40人規模で構成されることが分かった。彼らは江原道襄陽(ヤンヤン)空港と元山の葛麻(カルマ)飛行場を航空便で行き来する予定だ。飛行経路は旧朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が咸鏡南道新浦市(シンポシ)琴湖(クムホ)地区に軽水炉を建設する際に利用した東海線航路と類似するものとみられる。
これに先立ち、北側は29日夜10時10分頃に板門店(パンムンジョム)連絡チャンネルを通じて送った通知文で、「2月8日、建軍節軍事パレード」などに対する韓国側のマスコミの報道態度を問題視し、2月4日に開くことで合意した韓国と北朝鮮の金剛山合同文化公演を取り消すことを知らせてきた。北側は「南側のマスコミが平昌五輪と関連して北朝鮮が取っている真摯な措置を冒とくする世論を広げ続けている中、北朝鮮内部の祝賀行事まで言いがかりをつけてきたため、行事を中止せざるを得ない」という理由を挙げた。これに先立って、北側は20日に予定された芸術団事前点検団の来韓も前日の夜“中止する”と通知していたが、1日遅れた21日に派遣している。
政府は30日昼12時40分頃、南北高官級会談の南側首席代表のチョ・ミョンギュン統一部長官名義で、北側の首席代表であるリ・ソングォン祖国平和統一委員会(祖平統)委員長に通知文を送り、前日夜、北が金剛山地域南北合同文化行事を中止したことについて遺憾の意を明らかにした。
統一部当局者は通知文の内容と関連して「苦労して南北関係改善に一歩を踏み出した状況で、南北いずれも相互尊重と理解の精神をもとに合意事項を必ず履行しなければならないという点を言及した」とし、「南北双方が、平昌冬季五輪とパラリンピックの成功的な進行のため積極的に協力することで合意したため、合意したすべての行事が滞りなく進められるべきだという立場も伝えた」と説明した。
チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「北朝鮮が公式的には韓国マスコミなど政治的理由を掲げたが、内部的に限定された時間に大規模な人員が集まる行事を準備するには困難があったのだろう」とし、「実務的な理由のために(金剛山行事を)中止した可能性が高いと思われる」と指摘した。政府当局者も「断定的に言うことはできないが、短い期間内に金剛山地域で大規模な南北合同行事を準備することにおいて、北朝鮮なりに負担があったのではないかと思う」と話した。平昌冬季五輪を機に実現された各種の南北交流を支障なく実行するには、時間不足などで実務的困難が大きかったということだ。実際、南北が1月17日に開かれた次官級実務協議の合意した事項だけでも計11項目に達する。
馬息嶺スキー場の合同訓練が無事行われれば、その後に予定された南北交流の日程も順調に進むものとみられる。2月1日には北側選手団の来韓が予定されており、北側芸術団が2月6日にやって来て江陵(カンヌン)とソウルでそれぞれ公演することになっている。2月7日には北のオリンピック委員会の代表団と応援団・テコンドー演武団などが大挙訪韓する予定だ。