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訪中する文大統領、敏感な「THAAD問題」避け経済協力と北朝鮮核問題に集中するか

登録:2017-12-12 04:16 修正:2017-12-12 07:50
今月11日午後、大統領府の与民館で開かれた大統領主宰の首席補佐官会議で、文在寅大統領が冒頭発言をしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 今月13~16日、国賓として中国を訪問する文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日、中国北京で中国の習近平国家主席と首脳会談を開くと、大統領府が11日に発表した。先月29日に行われた北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星-15」型の試験発射から半月後に開かれる韓中首脳会談で、両国首脳が北朝鮮の核・ミサイル問題にどのような突破口を見出せるかが注目される。今回の首脳会談では両国が“封印”に合意したTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題に対する意見の相違により、「共同声明」の代わりに各自の立場を盛り込んだ「共同マスコミ発表」を行うことにした。

 ナム・グァンピョ国家安保室2次長は同日のブリーフィングで、このような日程を公開し、「韓中国交正常化25周年になる年に行われる国賓訪問で、両首脳は北朝鮮核問題の平和的解決と朝鮮半島の平和定着に向けた協力を含め、域内国際社会の平和安定、繁栄の増進に向けた方策についても踏み込んだ協議を行う予定」だと述べた。

 文大統領は14日午後、北京人民大会堂で開催される公式歓迎式に出席した後、習主席と小規模および拡大首脳会談を行う。小規模会談では北朝鮮の核・ミサイル問題が、拡大会談では両国間の経済懸案をはじめ、政治や社会、文化など各分野における協力強化方案などが話し合われる予定だ。

 最大懸案の北朝鮮の核・ミサイル問題と関連し、文大統領と習主席がいかなる解決策を見出せるかにも注目が集まっている。対北朝鮮制裁・圧迫の目標が北朝鮮を対話のテーブルに出るようにするものであるだけに、外交的解法に関しても議論が行われるものとみられる。習主席は中国の一貫した北朝鮮核政策の一つである「双軌並行」(非核化プロセスと北朝鮮との平和協定交渉)を再度強調する可能性が高い。

 今年10月31日の「韓中関係改善の関連協議」後も、習主席を含め、中国高位層はTHAAD問題を引き続き取り上げており、今回の韓中首脳会談でTHAADなどがどこまで言及されるかにも関心が集まっている。文大統領は会談で「THAADをめぐる軋轢」を越えて、経済協力を正常化することに集中する見通しだ。まず、両国は今回の首脳会談の結果を共同声明ではなく、各自の立場を明らかにする共同マスコミ発表文の形で公開することで合意した。大統領府関係者は「ドナルド・トランプ米大統領の訪韓の際もそうだったように、『共同声明』がかならず必要であるわけではない」としながらも、「(両国が)結合された立場を発表できる状況ではないため、共同声明は推進しないことにした」と明らかにした。THAAD問題をめぐる両国の隔たりが依然として大きいだけに、無理な合意よりも互いに言いたいことを言い合える方式を選んだのだ。11日、北京で両国の学界・言論界の専門家たちが開催した「韓中の未来発展に向けたのシンクタンク高官級フォーラム」で、魏葦中国人民外交学会副会長は「THAAD問題を徹底的に解決しなければ、(韓中の)完全な関係改善は不可能だ」として、中国側の強硬論を代弁した。彼はまた「朝鮮半島の危機が深刻になったより大きな責任は韓米にある」と主張した。

 文大統領は、訪中期間に対して習主席だけでなく、李克強国務院総理や中国の国会議長である張徳江中国全国人民代表大会常務委員長、習主席の側近とされる陳敏爾重慶市党書記とも会談する予定だ。

キム・ボヒョプ、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/823033.html韓国語原文入力:2017-12-11 22:09
訳H.J

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