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中国人観光客が帰ってくる…中国、韓国行き団体観光禁止を部分解除

登録:2017-11-29 06:35 修正:2017-11-29 09:09
至る所に中国語案内板が置いてあった2015年5月、ソウル明洞通りの様子=ハンキョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 今年3月、高高度防衛ミサイル(THAAD)の本格化に伴い、中国当局が実施した韓国行き団体観光禁止処置が解除されたことが確認され、早ければ来月から韓国を訪れる中国人団体観光客を見られる見込みだ。

 中国の一部の省・直轄市当局は、27日と28日にかけて管轄地域内の旅行社を招集した会議で、団体ビザを利用した韓国旅行を許可するという指針を伝えたという。中国人旅行客が個別的に手数料を払い、駐中韓国公館に申請して審査及び発給を受ける個別ビザと異なり、団体ビザは旅行会社が3人以上の団体観光客を募集した後、韓国法務部と中国国家旅游局に申告して発給してもらえるビザだ。個別ビザは単数短期(90日以下)基準で280人民元(約4700円)の発給手数料を払わなければならないが、団体ビザは韓国政府が観光客誘致のために、今年末に終える予定だった手数料免除制度を来年まで延長した状態だ。

 中国内の旅行会社はTHAAD装備の搬入および配備が本格化した直後の昨年3月15日から、韓国行き団体観光商品の販売を一斉中断した。当時、中国当局は地域別に旅行会社らを招集し、「韓国旅行禁止」処置を伝えながらも、文書や記録を残さず、口頭で非公式に指示しただけで、公式的には政府の介入を認めなかった。ただし、関連対策が出されてから2カ月後、都江国家旅游局副局長は「韓国旅行関連問題は解決可能か」というハンギョレ記者の質問に対し、「両国政府を見なければならない」とし、解決のためには政府介入が必要だという点を強調した。

 旅行業界はこれまでほぼ途絶えてしまった韓国国内の連結会社(ランド社)のネットワークを再稼動させるなど、ひとまず歓迎するムードだ。北京の旅行会社関係者は「ソウルのランド社が長期休業・休暇に入ったケースが多かったが、今日(28日)連絡してみると、12月1日からは営業できるというところもあった」とし、「回復期間を経て新たな観光商品を作って客を集めて送るのにかかる期間を考慮すると、12月20日前後に団体観光チームを送ってくる可能性もある」と話した。

 ただ、今回の“解禁”処置には、いくつかの制限条件が付いている。まず、北京と山東省で出発する団体旅行だけが可能で、他の地域からの出発やロッテ免税店とロッテホテルなどのロッテグループ関連日程、チャーター機やクルーズ旅行などはできないという。業界では、他の地域から出発する団体旅行は段階的に再開されるものとみている。ある関係者は「例年の割合からすると、北京と山東省出発商品はおよそ30%程度で、小さくない規模だが、50%近く占める華東地域(上海、浙江省、江蘇省)の行方に関心が多い」と話した。

 国内観光業界がTHAAD局面で大きな打撃を受けた状況で、団体観光の再開はTHAADをめぐる対立を“封印”することにした「10・31の合意」の象徴的処置と見られている。来月文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中と韓中首脳会談を控え、中国側が関係改善の明確なシグナルを送ったものともいえる。以後、韓国コンテンツ(韓流)の放送と韓国の芸能人の出演などでも、可視的な処置があるかどうかが注目される。

 ただし、中国人団体観光が減り、個人旅行客が増えたことを受け、一部では韓国観光業界の“体質改善”を求める声もあがっており、「THAAD局面がかなりの難題を残した」という反応を示している。当局の指示があったとしても、完全に断絶された団体旅行が再開されるには時間が必要だろうと予想する専門家もいる。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/821111.html韓国語原文入力:2017-11-28 23:14
訳H.J

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