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6回目の核実験の地震規模、国別に異なるのはなぜか

登録:2017-09-04 22:52 修正:2017-09-05 16:04
北朝鮮の核実験による人工地震の規模//ハンギョレ新聞社

 3日に行われた北朝鮮の6回目の核実験による人工地震について、韓国気象庁は規模5.7と推定した一方、米国と中国は6.3、日本は6.1と発表した。なぜこのような差が出るのか。規模5.7と6.3のエネルギーの差はどれくらいになるのか。専門家に尋ねた。

 ユ・ヨンギュ気象庁地震火山監視課長は4日、「地震の大きさを表す時に世界共通でリヒター・スケールを使う。米国の地質学者チャールズ・リヒターが、ウッド・アンダーソン式地震計で100キロ離れた場所で波形が1ミリ描かれば規模を3にすると提案したスケールだ。しかし、規模の値は地震規模の計算式にどのような変数を使うかによって変わる。正解はない」と話した。特に人工地震の場合、迅速な通報を行う必要があるため、最小限の観測所で出た値から計算しなければならないので正確な値は追って補正される。

 だが、6回の北朝鮮核実験の際に発表された韓国発表の規模と米国地質調査局(USGS)発表の規模を比較して見ると、常に米国側の値が高く出た。今回の場合、規模に0.6もの差があり、1回目の核実験(0.62差)に次いで二番目に差が大きかった。イ・ユンス地質資源研究院責任研究員は「地震の波形は内部地殻を通じて伝達されるが、まだ北朝鮮の地質に対する研究が不足している。中国の場合、白頭山の近くだけでも十数個の地震計が設置されており、中国側の計算が実際に近い確率が高い。米国は世界的ネットワークを確保しており、中国側とも協力している可能性が高い」と話した。延世大学地球システム科学科のホン・テギョン教授は、中国側の規模の値が比較的正確だろうということに同意するが、原因は朝鮮半島の地形の特殊性のためだという解釈を出した。ホン教授の説明は以下の通りだ。地震の規模は距離と波形によって異なる計算式を使うが、300キロ以内で起きた地震は地殻を通じて振動が伝達されるが、それ以上の距離にはマントルを通過して波形が伝達されるためだ。北朝鮮・豊渓里(プンゲリ)人工地震の振動は東海地殻を通じて伝達されるが、厚さが35キロ前後の大陸の地殻から20キロ前後の東海地殻に変わり、振幅が減る。これをそのまま計算すると、規模の値が低く評価される。中国は大陸地殻だけを通過した値で計算するため、比較的完全な測定値を変数に入れることができるということだ。

 規模5.7と6.3のエネルギー差は、総エネルギー量(E)と規模(M)の関係式、つまりlogE=1.5M+C(定数)という公式で計算する。一般的に規模1の違いでエネルギーは32倍の差がある。しかし、単純に32×0.6で19.2倍と計算してはならない。まず、5.7と6.3を関係式に代入して差を出すと0.9と出る。エネルギー価はログ値であるため、10を0.9乗すれば7.94倍と出る。規模5.7がTNT(トリニトロトルエン)50キロトンに該当すれば、規模6.3の威力は50×7.94、つまり約400キロトンに上る。

 一方、3日に中国地震局が2次地震を発表したことについて気象庁は「感知されていない」と確認しつつ、「中国側は白頭山の近隣に多くの地震計を確保しているため、感知できたようだ」と明らかにした。しかし、米国も「構造的な崩壊」による2次地震を発表し、気象庁の釈明を色あせさせた。これについて気象庁は4日、「人工地震の波形の中に異常な波形が混ざっており分析中」と、前日の発表を撤回した。ホン・テギョン教授は2次地震の原因について、様々な可能性があると説明した。放射性物質が漏れないほどの深さである150メートル以上まで縦坑を掘り核実験をする場合、大きな噴火口が作られ、陥没地震が発生することがある。しかし、北朝鮮のように横に掘る坑道式核実験の場合、陥没地震の可能性はほとんどない。ただ、トンネルが崩壊して振動が発生する可能性はある。だが、中国が発表した規模4.6の地震が発生するほどなら、莫大な崩壊が発生しなければならず、やはり可能性は大きくない。最後に地中の地質構造により力のバランスが崩れ、応力が核爆発で生じた空きスペース側に集まり、地震波が作られる可能性もある。気象庁は「中国との協力を通じて2次地震の原因について分析する予定」と明らかにした。

イ・グニョン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/809590.html 韓国語原文入力:2017-09-04 18:34
訳M.C(1965字)

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