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[社説]「外交が優先」という米軍首脳部、北朝鮮も応えよ

登録:2017-08-22 22:30 修正:2017-08-23 07:37
ゲイ二―94防空ミサイル司令官(左から)、グリーブス・ミサイル防御庁長、ハイトン戦略司令官、ハリス太平洋軍司令官、ブルックス韓米連合司令官、キム・ビョンジュ韓米連合副司令官が22日、駐韓米軍烏山空軍基地で記者会見をしている=平沢/共同取材団//ハンギョレ新聞社

 太平洋軍司令官と戦略司令官、ミサイル防御庁長ら米軍の核心首脳部とキム・ビョンジュ韓米連合副司令官が22日、烏山(オサン)空軍基地で合同記者会見を行った。有事の際に朝鮮半島の安保に決定権を持っている米軍首脳部が同時に韓国を訪問し、共同記者会見を行ったのは異例だ。

 ジョン・ハイトン戦略司令官はこの会見で「北朝鮮の挑発を抑制できるすべての戦略資産を朝鮮半島に提供する」と明らかにするなど、結束して韓国に対する防御公約を再確認した。安保に対する韓国人の不安を払拭させる一方、北朝鮮に向けた警告メッセージでもある。

 しかし、ハリー・ハリス太平洋軍司令官は、北朝鮮問題について「外交的解決方案が重要と考える」として「私たちは軍事力で外交力を支援する」ことを明確にした。ハリス司令官はこれに先立ってカン・ギョンファ外交長官に会った席でも「外交が主な動力(main battery)であり、国防分野は支援の役割」と話した。北朝鮮核問題は「外交」と「対話」で解かなければならないというのが米国政府の基本的立場であることを米軍首脳部が確認したという点に意味がある。すでに何回も「朝鮮半島で二度と戦争があってはならない」と明らかにした文在寅(ムン・ジェイン)大統領の基調とも一致する。「戦争も辞さない」を叫ぶ韓国国内の一部保守層が注目しなければならない内容だ。

 北朝鮮はこの日、北朝鮮軍板門店(パンムンジョム)代表部報道官談話を通じて、21日に始まった韓米連合訓練の乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)演習を軍事的挑発と規定して、「無慈悲な報復と容赦ない懲罰」を論じ、再び威嚇した。米軍首脳部の会見に対しても「米帝侵略軍の高位頭目が南朝鮮で戦争を謀議している」と非難した。北朝鮮の宣伝メディアである「我が民族同士」は、グアム攻撃映像を流すなど、不要な宣伝攻勢を行った。

 米国は今年、乙支フリーダム・ガーディアン演習への参加兵力を昨年より7500人減らした。朝米間の「言葉の爆弾」対決以後に造成された融和ムードを生かそうと努める姿が伺える。米軍首脳部の記者会見も、北朝鮮に対する強力な警告は含んでいるが、内容を開けてみれば「平和的解決」が優先であることを強調している。北朝鮮はこうした状況を勝手に解釈し、核威嚇と緊張高揚とでさらに大きな利益を得られるという誤った判断をしてはならない。かろうじて用意された融和ムードを実質的対話と交渉につなげられるよう、北朝鮮もこれに応えることを促す。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/807838.html 韓国語原文入力:2017-08-22 19:26
訳J.S(1298字)

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