東国大学校4年生のチョンさん(24)は、今月学校が行った卒業写真の撮影に加わらなかった。就職に成功するまで卒業を先送りする予定であるためだ。チョンさんは「就職できずに卒業を猶予している状況で、卒業写真にまで気を遣う余裕はない。後日、就職に成功して卒業したとしても、友達が卒業した後なので卒業写真は撮らないつもり」と話した。
深刻な就職難のせいで卒業を延期する学生が増え、学校の公式卒業写真を撮影する学生が減っている。夏の卒業式のための卒業写真撮影シーズンである5月、キャンパスのあちこちでは物寂しい雰囲気がたびたび見られた。
16日午前、ソウル中区(チュング)の東国大キャンパスで予定された社会科学部のある学科の団体卒業写真撮影は、学生が誰も来ず延期された。その後の工学部のある学科の卒業写真撮影には学生が6人だけ集まった。学生より教授の方が多かった。カメラマンは学生たちに「教授と教授の間に立って下さい」と注文した。
他の大学でも事情は同様だ。崇実大では毎年、夏の卒業生が1000人程度だが、5月の卒業写真撮影には学生80人あまりしか集まらなかった。ソウル女子大も卒業写真の撮影対象者である4学年の在学生が約1600人なのに、このうち230人だけが卒業写真を撮った。
卒業写真の撮影業者は泣き顔だ。ソウルにある20あまりの大学に通って写真撮影をしてきたあるカメラマンは「毎年卒業写真を撮る学生が10~20%ずつ減っている。今のままでは大学卒業アルバム自体がまもなくなくなりそうだ」と話した。
就職難のために、同じ年に入学した同期でも、卒業時期がバラバラで友達どうしで自分たちだけの卒業写真を撮る学生が増えている。卒業を控えた成均館大生のチョンさん(23)は、友人と共に写真館を訪ねて団体写真を撮ることで卒業アルバムに代えることにした。就職の状況がそれぞれ異なるので、同じ年に入学した同期たちの卒業時点がすべて違うためだ。チョンさんは「学科の同期たちは就職準備でほとんどが卒業を先送りした」として「よく知らない学科の人たちと撮影する卒業写真には格別の意味を感じられない」と話した。
公式撮影のために必要な化粧や衣装にかかる費用も学生たちにとっては負担だ。今年2月に大学を卒業したイさん(23)は「メイクアップと髪のセットを受けるのに6~8万ウォン(約6~8千円)はかかる」として「友達はきれいに装ってきて撮るのに、自分だけ素顔で撮るわけにもいかず、でも衣裳を借りることも費用が負担になるので公式撮影の代わりに卒業式に友達どうしで写真を撮ることで満足することにした」と話した。