朴槿恵(パク・クネ)前大統領が12日、憲法裁判所の罷免決定は受け入れられないという意を明確にした。彼女は憲法裁判所が大統領職罷免の理由として提示した「憲法と法律への違背」について謝るどころか、「真実は必ず明らかになると信じる」と述べた。支持者に向かって事実上の「不服扇動」に出たと解釈され、波紋が予想される。
朴前大統領はこの日夜、ソウル三成洞(サムソンドン)の自宅前に到着し「私に与えられた大統領としての役割を最後まで全うできず申し訳ない。私を信じて声援を下さった国民の皆様に感謝申し上げる。このすべての結果に対しては私が抱いて行く。時間はかかるだろうが、真実は必ず明らかになると信じている」と話したとミン・ギョンウク自由韓国党議員が伝えた。ミン議員は朴前大統領の在任時期に大統領府報道官を務めた。朴前大統領は「朴槿恵-チェ・スンシルゲート」に対する謝罪はせずに、「大統領職を全うできないこと」について謝った。また「私を信じて声援を下さった国民の皆様に感謝申し上げる」と明らかにし、弾劾反対を主張した支持者に感謝を表わし、「真実は明らかになる」として憲法裁判所決定に対する不服従の意思も公式化した。政局を収拾し民心を統合するメッセージではなく、最後まで民心“分断”に出たわけだ。
これに先立って朴前大統領はこの日午後6時30分頃、ハン・グァンオク秘書室長とキム・グァンジン国家安保室長、パク・フンヨル警護室長、および各首席とティータイムをした後、7時頃に大統領府の庭園である緑芝園前で秘書室・警護室職員らと一人ずつ握手をしたという。朴前大統領が乗った車は午後7時15分頃に大統領府正門を出て、7時37分頃三成洞(サムソンドン)の自宅前に着いた。車が家の前の路地をゆっくり移動する間、朴前大統領は車の中から笑顔で路地の両側に立っていた1千人あまりの支持者に向かって手を振った。彼女は午後7時39分頃、車から降りて出迎えに出ていたホ・テヨル、イ・ウォンジョン、イ・ビョンキ前秘書室長など以前の参謀、そして自由韓国党のソ・チョンウォン、チェ・ギョンファン、ユン・サンヒョン、チョ・ウォンジン、キム・ジンテ、パク・テチュル、イ・ウヒョン、ミン・ギョンウク議員など親朴槿恵系の政治家と明るい顔で挨拶を交わした。沈痛がったり悔いるそぶりとは正反対の姿で、むしろ支持者に囲まれて「自宅前での不服示威」をするような姿だった。朴前大統領は親朴系政治家たちに「このように来てくださって感謝する」と話し、ソ・チョンウォン議員には「力になってくださって感謝する」と話したという。ユン・サンヒョン議員には「これまでご苦労様」と話したとユン議員が伝えた。議員らは朴前大統領に「頑張って、健康に気をつけて」と話した。
朴前大統領が憲法裁判所の罷免決定に“不服従”宣言をしたことにより、弾劾に反対してきた支持者の動きにも影響を及ぼすものと見られる。検察の強制捜査に直面した朴前大統領が、自身の潔白を訴えて、支持層の結集を通した世論戦に出たという解釈も出ている。特に5月に予定された早期大統領選挙を控えて保守勢力が結集できる“口実”を提供したものと見られる。