大法院(最高裁判所)が、2年以上働いた期間制非正規労働者の正社員への転換を避けるため正社員転換の例外事由を悪用してきた慣行にブレーキをかけた。
最高裁判所2部(主審キム・チャンソク判事)は12日、現代エンジニアリング期間制労働者のK氏が会社に対して起した解雇無効確認訴訟で、K氏の請求を棄却した原審を破棄し、事件をソウル高裁に差し戻したと明らかにした。最高裁判所は「期間制法第4条第2項(2年超過勤務の際には正社員に転換)の適用を回避するために形式的に事業の完了または特定の業務の完成に必要な期間を定めた労働契約を繰り返し更新して締結したと見る余地がある」と判断した。
建設現場で監理業務を担当したK氏は、2005年から2015年までに現代エンジニアリングと10年間にわたって13回も“分割契約”を結んだ。現代エンジニアリングは2015年5月18日、(同年)6月30日付で契約満了により労働関係が終了するとK氏に通知し、その後、辞職願の提出を求めた。これにK氏は、「期間制法(期間制及び短時間労働者の保護などに関する法律)によって2009年7月、期間を決めない労働者になった」としたうえで、「労働契約関係が終了すると通知したのは、何ら根拠のない解雇であり、無効」だと主張し、訴訟を提起した。
裁判ではK氏が期間制法における正社員への転換の例外事由に該当するか否かが争点になった。期間制法第4条第1項第1号は「事業の完了または特定業務の完成に必要な期間を定めた場合」は2年を超過しても、期間制労働者として継続雇用できると規定している。ソウル中央地裁民事41部(裁判長クォン・ヒョクジュン)とソウル高裁民事2部(裁判長クォン・ギフン)は、会社側の主張どおり「K氏は、事業の完了または特定業務の完成に必要な期間を定めた場合に当たる」として、「原告と被告の間の労働契約関係は新設工事監理委託業務の終了によって終了することになったのであり、被告が一方的に原告を解雇したわけではない」と判断した。
しかし、最高裁は「期間制法の立法趣旨は、期間制労働契約の濫用を防止することで、労働者の地位を保障しようということにある」としたうえで、「使用者が形式的に事業の完了または特定業務の完成に必要な期間を定めた労働契約を繰り返し更新して締結してきたが、各労働関係の継続性が認められる場合にはこれに当たるとは言えない」と指摘した。最高裁は労働契約が繰り返し更新して締結された動機や経緯、労働契約の内容、担当業務の類似性などを総合的に考慮しなければならないとして、「多数の監理用役を受注して常時的にその業務を遂行しなければならない被告の立場からすると、特定用役の現場での事業が完了したとしても、監理業務を遂行できる原告との勤労契約を維持しなければならない必要があったものとみられる」として、下級審と異なる判断を示した。
クォン・ドゥソプ弁護士(民主労総法律院長)は「最高裁が期間制法の例外事由の乱用を制限する解釈基準を提示した」としたうえで、「このような解釈基準は、正社員への転換を避けるために分割契約を悪用する事例でも適用される可能性がある」と評価した。