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現代・起亜自動車もトランプに屈服?…「5年間に米国で31億ドル投資」

登録:2017-01-17 21:42 修正:2017-01-18 06:21
米国アラバマ州にある現代自動車工場=資料写真//ハンギョレ新聞社

 現代自動車のチョン・ジンヘン社長が、今後5年間に米国で現代車グループが31億ドルを投資すると17日明らかにした。この投資規模は最近5年間に投入された21億ドルより大幅に増額した金額だ。

 チョン社長はこの日、外信記者らと会った席でこうした内容を骨格とする現代自動車グループの米国内中長期投資計画を明らかにした。チョン社長は「投資金額は親環境車と自動運転車など、未来新技術開発のための研究開発(R&D)投資拡大と既存生産施設での新車種生産、環境改善のための投資に使われる」と説明した。

 新規工場建設の有無については、「今後、米国の産業需要推移などを勘案して検討する計画」とチョン社長は話した。これに関してグループ関係者は「新工場の建設には現地の市場需要と対内外の環境が変数として作用するため、生産規模、建設地域、設立主体などの詳しい事項は今後綿密な検討を通じて決める」と話した。

 現代自動車グループの米国内中長期投資計画の発表は、先日フォードとフィアットクライスラーがそれぞれメキシコ工場設立計画を取り消し、トヨタが米国内投資計画を明らかにした後に出されたので注目を集めている。チョン社長は「投資活動に対する部分は正常な経営活動の一環として検討された」とし「トランプ米国大統領当選者の発言とは関係ない」とくぎを刺した。しかし、現代自動車グループの投資計画は、世界の主要自動車企業がトランプ当選者の圧迫に相次いで屈服し工場建設や投資計画を明らかにしている敏感な時期に出てきたことなので、いろいろな解釈を産んでいる。

 この間トランプ当選者は、フォード、ゼネラルモータース(GM)のような自国企業はもちろん、トヨタ、BMWなどを名指しして、メキシコ工場で生産する自動車を米国で販売する場合高率の関税(国境税)を賦課すると威嚇した。これによってフォードは16億ドルを投じてメキシコに工場を建設するという既存計画を撤回し、代わりに米国のミシガン工場に7億ドルを投資すると明らかにした。またフィアットクライスラーも、米国のミシガンとオハイオの生産施設に10億ドルを投資すると発表し、トヨタは今後5年間に100億ドルを米国で投資すると明らかにした。トランプの圧迫にも耐えた米国最大の自動車メーカーGMは、10億ドル規模の米国内投資計画をまもなく公開する予定だ。

 これまで現代・起亜自動車は、トランプの圧力に押されて米国に工場を作ったり投資したりはしないという態度を見せてきた。現代自動車は2005年からアラバマ工場を、起亜自動車は2009年からジョージア工場をそれぞれ稼動中だ。現代自動車は最近、米国に第2工場を検討しているのではないかという話が出るたびに困惑した表情を見せていた。現代自動車グループ関係者は「現代・起亜自動車はトランプ行政府からいかなるメッセージも受けていない。適切な時期に米国内における中長期投資計画を明らかにしたに過ぎない」と話した。

 グループ側の説明どおりならば、主要外信記者たちを通じてトランプ行政府に自ら投資計画を明らかにしただけと解釈できる。だが、一部ではトランプ当選者側から圧力が入ってくる前に白旗を揚げたのではないかとの解釈も出ている。

ホン・テソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/779128.html 韓国語原文入力:2017-01-17 18:04
訳J.S(1529字)

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