朴槿恵(パク・クネ)大統領が、セウォル号惨事当日の2014年4月16日、昼食を取りながらテレビで現場映像を初めて見たことがわかった。憲法裁判所は今月10日、朴大統領がいつセウォル号事故の発生を知ったのかが不明だとして、最初の書面報告を受けた午前10時以前にテレビ中継を通じて(事故発生を)確認したかどうかを明らかにするよう求めた。
朴大統領側関係者は11日、電話インタビューで「朴大統領が、セウォル号の答弁書を準備する過程で、側近たちに『午前は書類の検討に追われ、忙しくてテレビを見られなかったが、お昼頃、ダイニングルームのテレビで事故映像を見た』と話した」と明らかにした。朴大統領が午前中に留まっていたという、いわゆる「官邸の執務室」にはテレビがないが、ダイニングルームには設置されており、食事をしながら事故の中継映像を確認したということだ。朴大統領側が提出した「セウォル号7時間の釈明書」には午前10時、国家安保室長の書面報告で、セウォル号の状況を初めて知ったと記載されている。各放送局は同日午前8時50分頃からセウォル号事故の状況を生中継で報道していた。しかし、セウォル号釈明書によると、朴大統領は午前10時に報告を受ける前まで、このような状況を知らず、午前10時15分にキム・ジャンス当時国家安保室長が「YTN放送を見ると、状況の把握に役立つだろう」と提案したにもかかわらず、これを無視した。セウォル号は午前10時30分頃沈没した。
朴大統領は、昼食をとりながらテレビで現場の状況を見たと明らかにしたが、その後にも危機対応措置をほとんど取らなかった。昼食後の午後12時50分から約10分間にわたり、チェ・ウォンヨン当時雇用福祉首席から基礎年金法に関連した国会との交渉状況について報告も受けた。
朴大統領側は「セウォル号7時間」行跡の資料に昼食やテレビ視聴などが除外されたことについて、「大統領の食事の時間やテレビ視聴が争点になるとは思わなかった」と話した。