チェ・スンシル国政壟断事態の余波で、朴槿恵(パク・クネ)大統領が「任期の短縮」にまで言及する談話を発表したことに対し、日本当局は戸惑いを隠せなかった。日本軍「慰安婦」問題に関する12・28合意と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)など、日本に対する妥協的姿勢に転じた朴槿恵政権の対日政策が一瞬で覆されるかもしれないと懸念するからだ。
30日に行われた菅義偉・官房長官の定例記者会見では、前日発表された朴大統領の「任期短縮」関連の談話に対する日本政府の見解と影響を問う日本人記者の質問が相次いだ。菅官房長官は「韓国の内政にかかわる事項であるため、政府としてはコメントを差し控える」と言葉を慎んだ。年内に東京で開かれる予定の韓中日首脳会議を開催するかどうかについても「(開催の方針に)変わりない」という原論を確認するに止まった。
しかし、菅官房長官は12・28合意が覆されたり、日本大使館前の少女像の移転が難しくなるのではないかという日本記者たちの"懸念"については、「国と国との合意事項であり、それぞれの国が合意を誠実に実行に移していくことが極めて重要だ」と釘を刺した。
日本政府部内では最近の韓国の急激な情勢変化を心配する声が高まっている。朝日新聞は「『朴ショック』の影響は日韓関係全般に及びかねない状況」だとしたうえで、「次の大統領が誰になるかによって、今は当たり前の日米韓の連携が崩れる可能性もある」という外務省幹部の発言を伝えた。「日本経済新聞」も「ドナルド・トランプ氏の勝利に続き、韓国の朴槿恵大統領の辞意表明で安倍外交が新たな試練に直面している。改善を進めつつあった韓国との関係が再び揺らぐ事態になれば、その影響は大きい」と懸念を示した。
しかし、前日の朴大統領の談話の態度に対する非難も続出した。「毎日新聞」は社説で「朴大統領は辞意を表明した際にも事件の経緯を語らなかった。会見場にいた記者が質問を受けるよう求めても応じず…今回の対応は混迷の度合いを深めたと言えよう」と指摘した。朴大統領の「セウォル号7時間」問題を取り上げて韓国検察によって起訴された加藤達也・前産経新聞ソウル支局長は、「朴大統領の談話をみると、自分自身がこれまで、どの点を追及されていたのかの認識が示されていない。今回の談話は、韓国国民やメディアに対する説明責任を最後まで果たすつもりがないことを明確にした」と指摘した。