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「チェ・スンシル、大統領府秘書官が毎日持ってきた大統領報告資料で秘密の会合」

登録:2016-10-26 02:37 修正:2016-10-26 08:03
現政権の影の実力者と呼ばれるチェ・スンシル氏(左)に朴槿恵大統領//ハンギョレ新聞社

 「影の実力者」チェ・スンシル氏がほぼ毎日大統領府から厚さ30センチの「大統領報告資料」を受け取って検討していたという証言が出た。チェ氏は、この資料を持って国政全般を論議する「秘密の会合」を開いたという。このような供述は、チェ氏と親しかったイ・ソンハン前ミル財団事務総長が9月7日から9月25日まで、都合4回16時間にわたって進められたハンギョレとのインタビューで、一貫して主張した内容だ。

 イ前事務総長はインタビューで「チェ氏は主に自分の論硯洞(ノンヒョンドン)の事務室で各界の様々な専門家に会って、大統領の今後の日程や国家的政策事案について論議した」としたうえで、「チェ氏はこのような会をテーマ別にいくつか運営していたが、大統領のための一種の諮問会議だった」と語った。イ前総長は、秘密の会合への参加者と関連し、「少なくとも2人、多い時は5人まで集まった。私も何回か参加したことがある」として、「会に来る人は会議の性格によって少しずつ変わったが、チャ・ウンテク氏はほとんどいつもいた。コ・ヨンテ氏もよく参加していた」と話した。チャ氏は広告監督出身で、朴槿恵(パク・クネ)政権が発足してから、「文化界の皇太子」と呼ばれている人物だ。コ氏は、チェ氏と親しい間柄で、彼が作ったカバンを大統領が毎日身に着けていたことで話題になった。

 彼はさらに、チェ氏の事務室の机の上にはいつも厚さ30センチの「大統領報告資料」が置かれていたと証言した。彼は「資料は、主に大統領府首席秘書官が大統領に報告したもので、ほとんど毎晩、大統領府のチョン・ホソン第1付属室長が事務室に持ってきた」と名指しで話した。チョン・ホソン第1付属室長は、いわゆる「門番3人組」と呼ばれる秘書官の一人だ。彼は「チェ・スンシル氏は会合で何の説明もなしにこの資料を配布しては『これはこうしろ、あれはああしろ』と指示した」としたうえで、「チェ氏の話を聞いて、私たちが事業計画書を作成して提出すると、それが後に一文字も変わらずそのまま大統領府の文書となり、私たちに戻ってきた」と話した。

 イ前総長は、このように主張しながら、ハンギョレの記者に自分のアイフォンに写真ファイルとして保存されている、自分が作成した後に再び大統領府の文書として渡されたものを比較して見せた。彼はまた、自分の携帯電話に保存された大統領府首席秘書官と秘書官約20人の電話番号を見せてくれたが、ハンギョレが後で確認してみると、実際の電話番号と一致した。

 彼は秘密の会合で取り上げたテーマと関連し、「約10%はミル、Kスポーツ財団と関連したものだったが、残りの90%は開城工業団地の閉鎖など、政府政策と関連したことがほとんどで、チェ・スンシル氏はこれを『朴槿恵大統領の関心事項』と表現した」と話した。彼は「この会では、人事問題も議論されたが、長官にするかしないかがそこで決まった」と明らかにした。

 イ前総長は「これは通念を崩すような話だが、実は、チェ氏が大統領に『ああしろ、こうしろ』と指図する構造だ。大統領が一人で決められる事案はない。チェ氏に全部訊いて承認してもらわない限り、何もできないと見ていいと思う。大統領府の門番3人衆も、実はチェ氏の使いに過ぎない」と話した。

 イ氏の証言は常識を越える内容だが、ハンギョレがここ2カ月ほど取材した内容とかなり一致しており、JTBCが24日に放送した「チェ・スンシル氏が演説文を事前に閲覧し、修正までした」という内容とも合致するものだったため、報道することした。

キム・ウィギョム、リュ・イグン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/767209.html 韓国語原文入力:2016-10-25 15:38
訳H.J(1821字)

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