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脱北男性の無念の死から11日め、嗚咽のなかの告別式

登録:2016-08-24 01:10 修正:2016-08-24 07:15
妻の持病の治療のために脱北し、保護帽も着用せずビルの清掃をしていた最中に14メートル下に落下し死亡した故キム氏(48)の寂しい霊安室//ハンギョレ新聞社

 妻の持病の治療のために脱北し、保護帽も着用せずビルの清掃をしていた最中に14メートル下に落下し死亡した故キム氏(48)が、亡くなって11日後の23日午前、遺族や脱出者らの嗚咽のなか社葬により見送られた。

 葬儀は同日午前、遺族や会社の同僚、脱北者らが出席し、仁川(インチョン)市のO葬儀場から出棺した後、故人が勤務した松島SEのある仁川松島国際都市のポスコR&Dセンターで路祭(門前で告別を行う祭式)を行い、仁川家族墓地に埋葬された。

 この日の葬式には共に民主党のパク・ナムチュン仁川市党委員長やパク・チャンデ議員、ポスコ社会貢献チームのパク・ヒョン常務らも参列した。

 遺族は「二度と脱北者に対する差別や偏見、無念の死が起きないことを願う」とすすり泣いた。

 咸鏡北道清津(チョンジン)市で産婦人科医だった故人は、妻の持病を治療するために妻と娘を連れて2006年に脱北し、生活費と妻の病院費を賄うため工事現場、駐車管理員、清掃員を転々とし、13日に松島ポスコR&Dセンター内の窓ガラスを拭いていた際に足を踏み外し14メートル下に落下し死亡した。

 葬儀に先立ち22日、遺族とポスコ側は今回の事件に関する5項目について合意した。

 遺族は、△心からの謝罪と徹底した真相調査および再発防止対策、△故人に対する名誉回復、△構造調整の過程で人事上不利益を受けた人の原状復帰、△雇用の安全な保護、△適法な補償、などを要求した。

 ポスコ側は事故が起きた際「故人が所属した松島SEとは何の関連もない」との立場を固持したものの、ポスコの責任論が台頭し、仁川市の多数党である共に民主党仁川市党が対策委員会を設置し真相調査に着手すると、態度を変え遺族側の要求を大部分受け入れたと伝えられた。

キム・ヨンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2016-08-23 17:13

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/758026.html 訳M.C

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