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アベノミクスを守るため米日対立も辞さない安倍政権

登録:2016-06-27 00:13 修正:2016-06-27 07:06
英国のEU離脱が決定された24日、安倍晋三首相(中央)と麻生太郎・財務相(右)、石原伸晃・経済再生相(左)が東京で開かれた閣僚会議に出席している=東京/AFP・聯合ニュース

 英国が24日に行った「ブレグジット(英国のEU離脱)」の決定により、最も大きな打撃を受けたのは地球の反対側の日本だった。英国発の「青天の霹靂」に国際金融市場が混乱に陥ったことで、24日の日経株価が暴落し、安倍首相があらゆる手段を使って維持してきた「円安」が一気に崩れた。

 日本の政府・与党は、ブレグジットが7月10日に予定された参議院選挙と日本経済に与える影響を分析するため奔走した。安倍首相は24日、ブレグジットのニュースが伝わると、遊説地から官邸に復帰し、閣僚らと緊急会議を開いた。25日には財務省、金融庁、日本銀行が集まった。しかし、公式には「今週の金融市場の動向を見ながら適切に対応する」という原則的な立場にとどまっている。

 日本経済新聞は25日、「政府・日銀としては(ブレグジットによる)円へのマネー逃避が急激で、景気・物価の下押し圧力が強まれば介入を発動できると判断している。日本は円急騰阻止の円売り介入に際し、米国などによる事前の了解を取り付けることを原則にしているが、日本単独での円売り介入も視野に対応する構えだ」と報じた。財務省幹部は、日本の市場介入のための米国の黙認が得られない場合は「最後には国益と国益の戦いだ」として、悲壮な覚悟を滲ませた。

 日本政府が日米の摩擦を辞さない構えで介入の意志を明らかにするのは、円高が安倍首相の看板政策であるアベノミクスに壊滅的な打撃を与える可能性があるからだ。安倍政権は、2013年4月の量的緩和を通じて円安を誘導し、輸出主導の大企業の業績を改善することで、その効果を社会全体に拡散するアベノミクスの好循環の効果を期待してきた。実際、朝日新聞は、ほとんどの企業が今年上半期の想定為替レートを1ドル110円に設定していたと指摘しており、みずほ総合研究所では、円が1ドル100円を下回ると「日本国内の(製造業の)生産活動の採算が取れない。そうなれば、設備投資が急速に減少する可能性がある」として、このような状態が1年続けば、日本の実質GDPの成長率が、最大0.8%まで低下する可能性があると予想した。

 日本の危機は、輸出市場で日本企業との熾烈な競争を繰り広げている韓国にとってはチャンスでもある。しかし、専門家は輸出競争では為替レートのほかにも様々な影響がある上に、ブレグジットにより世界経済が低迷すれば、韓国企業の輸出も共に減少する可能性があると懸念を示した。対外経済政策研究院アジア太平洋室のキム・ギュパン日本チーム長は、「円高現象は韓国企業にとり短期的な好材料であり、悪影響はない」としながらも、「海外市場では韓国企業と日本企業が価格を中心に競争しているというより、商品の質などの非価格競争を行う場合が多く、単純に円高で韓国企業の輸出が増加するとは言えない」と指摘した。さらにキムチーム長は、「長期的に金融界のショックが実体経済につながると、むしろ世界経済不況に伴う輸出減少の可能性の方が大きく、これに対する備えがより重要」と付け加えた。

東京/キル・ユンヒョン特派員、ユ・ソンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-06-26 17:45

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/749745.html 訳H.J

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