「車椅子に乗った障害者が高所ハンストをするのは私が初めてのはずです」
10日昼、ソウル・汝矣島(ヨイド)のイルムセンターで会った、京畿420障害者差別撤廃共同闘争団(京畿共闘団)のイ・ドゴン共同執行委員長(36)は、ビル入口に設置されたガラス製のひさしの上に座っていた。脊髓障害1級障害者のイ氏は、ガラスのひさしの上に広げた発砲スチロフォームに身を置いていた。彼の“分身”でもある車椅子もそばに置かれてあった。
イ氏は7日、京畿道の障害者生存権保障を訴え、ビルのひさしに上がってハンストに突入した。太陽の日差しをまともに受けるひさしの上は、雨が降っても避ける場所がない。大きな傘一つが日差しと雨を防ぐ唯一な道具。ガラスのひさしが割れるおそれもあるので、万一に備え太いロープで体を縛っておいた。
イ氏が命賭けのハンストを続けているのは、京畿道とナム・ギョンピル道知事に、低床バスの導入など障害者移動権保障、重症障害者24時間活動支援の保障、自立生活の権利保障など10大要求案の受け入れを要求するためだ。イ氏のハンストに先立ち、京畿共闘団は先月13日から要求案の受け入れを求めて京畿道庁予算担当官室を占拠し、座り込みをしている。イ氏は「移動権は身体障害者の最低限の権利だ。京畿道は昨年10月、特別交通手段の運営費の拡大と低床バス300台の導入など移動権保障について約束したが、守っていない」と声を高めた。
イ氏が汝矣島のイルムセンターを座り込みの場所に選んだのは、ビルに障害者団体が多数入居しているためだ。障害者団体と連帯してイルムセンターから遠くないセヌリ党と国会に、彼らの要求を伝えようとしている。イ氏は「交通弱者の移動法が作られ10年が経っても、障害者がバスに乗る自由を享受できない社会だ。これからも簡単には変わらないと思うと悲しくなり、なんとしても変えさせたい」と話した。
韓国語原文入力:2016-06-12 21:48