国連の潘基文事務総長の大統領選挙出馬を示唆する発言が、米国ニューヨークの国連本部ブリーフィングまで飛び火した。潘事務総長が25日、寛勲クラブの懇談会で大統領選出馬への意志を強く示唆してから、国連本部で行われたファルハン・ハク事務総長副報道官の定例記者会見で、記者団は2日連続でこの問題に対する質問を浴びせた。世界中の懸案を取り上げるべき国連のブリーフィングで、事務総長の行動が争点になる極めて異例の事態となった。現職の国連事務総長の「政治的な動き」をめぐる問題が国際外交の争点になる見込みだ。
ハク副報道官の25日(現地時間)のブリーフィングで、ある記者は、国連事務総長の退任直後、政府職への進出を制限した国連の第1回総会決議11(Ⅰ)号の存在を潘事務総長が知っているのか問いただした。この記者は、「人権弁護士出身の(パク・ウォンスン)ソウル市長がこの決議の存在に言及したほどだから、潘事務総長も当然知っているだろう」とした上で、「潘事務総長の反応を知りたい」と尋ねた。しかし副報道官は、「この問題について事務総長の発言は非常にはっきりしている」とし、「事務総長は任期終了後に何をするか、現時点で何の計画も持っていないと明らかにした」と答えた。潘事務総長の反応を伝えるどころか、「決議11(Ⅰ)号」にも全く触れない的外れな答えに、記者が韓国のすべての新聞が「大統領選挙出馬を示唆」と報じた事実を指摘すると、副報道官は「事務総長が発言した、それ以上でも以下でもない」と明言を避けた。
26日にもこうした議論が繰り返された。ある記者は「ところでキム・ウォンス国連軍縮上級代表職務代理は、どんな資格で潘事務総長の訪韓直前に韓国の記者団に事前ブリーフィングを行ったのか」と問いただした。この記者は「一部の人たちはそれを政治的行為(political work)と捉える」と指摘した。国連の高官であるキム職務代理が自分の職分を離れ、潘事務総長を私的に支援しているのではないかという指摘だ。副報道官は「潘事務総長の韓国訪問は公式日程であり、キム職務代理は随行員の資格でブリーフィングした」と答え、「事務総長の韓国訪問は、私的な旅行や政治的旅行ではない」と述べた。そして「皆さん、楽しい午後を」と慌ててブリーフィングを終わらせた。
イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力: 2016-05-27 19:17