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ムスダン発射批判声明にロシアが反対…北朝鮮核問題の協調体制に亀裂

登録:2016-05-13 23:11 修正:2016-05-14 06:43
ビタリー・チュルキン国連ロシア大使//ハンギョレ新聞社

 先月28日、北朝鮮のムスダン(BM25)中距離弾道ミサイル(IRBM)の試験発射に対する国連安全保障理事会(安保理)の報道声明が、「韓米両国の軍事活動の自制」を呼び掛けるロシアの反対で採択が見送られており、少なくとも表面的には一枚岩に見えていた北朝鮮の核問題をめぐる国際社会の協調体制に、亀裂の兆しが表れている。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は12日(現地時間)、ムスダンの試験発射に対する国連安保理の報道声明の採択を拒否したことについて、「(昨年3月)国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議(2270号)を支持すると同時に、ロシアは、朝鮮半島問題にかかわるすべての国が、域内状況を悪化させる道ではなく、政治・外交的解決の雰囲気作りにつながる道へと向かうことを求める」と述べた。安保理決議案2270号には、国連加盟国の義務として、強力な対北朝鮮制裁に加え、「対話を通じた平和的解決の促進」と「緊張を悪化させるような行動の自制」も規定されている。

 これは、ロシアがムスダンの試験発射に対する国連安保理の報道声明に「韓米両国の軍事活動自制を求める内容を盛り込むことを提案した」という、今月2日のビタリー・チュルキン国連ロシア大使の発言の延長線上にある。チュルキン大使は「(朝鮮半島)域内で増強された軍事活動を自制するように関係国に要求することが、非常に重要だと考えている」とも述べた。先月末に終了したキーリゾルブ・イーグル演習などの韓米合同軍事演習を念頭に置いたものとみられる。

 しかし、外交部は12日、「安保理での協議の過程で、理事国間の見解の差と立場の違いで(報道声明の採択が)遅れている」とし、「韓米合同演習と関連するものではない」と説明した。

 一方、ロシアは、安保理決議2270号の履行のための大統領令を、近いうちに制定するものと見られる。現在公開された大統領令の草案には、北朝鮮に対する金融封鎖、北朝鮮からの鉱物輸入の禁止など、安保理の対北朝鮮制裁決議案と同じ内容が盛り込まれている。しかし、朝ロ間の鉄道と北朝鮮の羅津(ナジン)港を利用する「羅津・ハサン複合物流事業」は例外とされている。

キム・ジンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-13 19:34

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/743762.html 訳H.J

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