強制動員被害者の損害賠償
韓国最大のローファームが日本企業を弁護
三菱・新日鉄住金など6件
「植民地支配を擁護する行為」
知識人の社会的責任批判起きる
国内最大のローファーム「キム・アンド・チャン」が日帝(日本帝国主義)強制徴用被害者が起こした訴訟で日本戦犯企業を代理していることが明らかになり、被害者の反発を買っている。 ほとんどが高齢の被害者が、日本戦犯企業に対抗してかろうじて進めている訴訟で、キム・アンド・チャンを批判する声が上がっている。
16日、法曹界と「勤労挺身隊ハルモニ(おばあさん)と共にする市民の会」などの話を総合すると、キム・アンド・ジャンは先月、勤労挺身隊被害者が三菱重工業を相手に起こした損害賠償請求訴訟の上告審で三菱側を代理していることが確認された。
「三菱勤労挺身隊事件」は高齢の被害者が日韓を往来して17年間にわたり訴訟を繰り広げたという点で、その意味は格別だ。 ヤン・クムドクさん(85)など被害者8人は1999年3月、日本の名古屋地裁に損害賠償訴訟を提起したが、2008年に日本の最高裁判所は原告敗訴判決を確定した。 2012年5月、韓国の大法院(最高裁)が「韓日請求権協定により個人請求権まで消滅したわけではない」という判決を下すと、その年10月、ヤンさんなど被害者5人は光州(クァンジュ)地裁に三菱を相手に損害賠償訴訟を起こした。 1審と2審は大法院の判例に則り三菱の不法性を認め原告一部勝訴の判決を下した。 だが、三菱はこれに従わず上告した。
三菱重工業は訴訟代理人を上告提起から6カ月を過ぎてから選任したという。 法曹界では、韓国の代理人が選任していない国外企業に訴訟書類を送達するには、平均で6カ月以上かかるという点を悪用し、三菱が裁判を遅延させるための戦略を使ったと解釈している。
キム・アンド・チャンが戦犯企業を弁論したことは今回が初めてではない。 現在の韓国の裁判所で審議されている日帝強制動員被害者損害賠償請求訴訟14件のうち、弁護人が選任された事件は計6件だが、その半分以上の4件をキム・アンド・チャンが引き受けている。 まだ弁護人が選任されていない2件はソウル高裁で審議中の控訴審だが、全て1審弁論をキム・アンド・チャンが受け持った。
キム・アンド・チャンの弁護は国民感情とも合わないと指摘される。 イ・サンガプ弁護士は「日帝戦犯企業の行為は韓日請求権協定論争とは別個であり、国際機構もいっせいに非難している犯罪だ。 韓国を代表するローファームが、日本戦犯企業の行為を弁論するのは、日帝強制占領期間の親日附逆(反民族的な親日)知識人の行動と変わりがない」と批判した。 これに対してキム・アンド・チャン側は「裁判が進行中の事案に対して立場を明らかにすることはできない」と答えた。