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[ニュース分析]朝鮮半島情勢に影響する最大の要因は朝中首脳会談

登録:2016-01-05 01:27 修正:2016-01-05 05:49
金正恩第1書記//ハンギョレ新聞社

 金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記は今年、習近平・中国共産党総書記兼国家主席に会うため中国を訪問するだろうか? 2016年、朝鮮半島情勢を見通す上で欠かせない最も重要な問いだ。

 今年も朝鮮半島周辺の各国には重要な政治日程が多い。韓国では4月に総選挙が、北朝鮮では5月初めに36年ぶりの労働党大会が、米国では11月9日に大統領選挙が、日本では安倍晋三首相の改憲強行で注目される参議院選挙が7月頃に予定されている。すべて北東アジア情勢に影響を与える要因と言える。

朝中・南北関係はもちろん 
北朝鮮の核問題、6カ国協議の再開にも関わる 
「中国の大規模な経済協力取り付けるために 
北朝鮮の党大会前後に訪中する可能性も」 
実現しない場合、核実験などが検討される恐れも

 しかし、今後予定されているすべての政治日程よりも、注目すべき要因がある。それは金正恩第1書記が訪中するかどうかだ。言い換えれば、金正恩第1書記と習近平主席との間で朝中首脳会談が実現するかどうかだ。北朝鮮の政治行動と朝中関係に詳しい元政府高官は3日、「金正恩第1書記が訪中するかどうか、すなわち朝中首脳会談が実現するかどうかは、今年、朝鮮情勢を左右するほぼ唯一の要因」と指摘した。彼は「金第1書記が訪中するかどうかによって、朝中関係はもちろん、南北関係の進路、北朝鮮の核問題と6カ国協議の再開などが全く異なる方向に向かう可能性があるからだ」と説明した。

■「5月の党大会前後の訪中の可能性が高い」

 朝中関係に詳しい政府高官は「金正恩書記が党大会を前後に中国を訪問する可能性がある」とし「党大会の性格をどのように規定するかによって時期が変わるかもしれない」と話した。

 金第1書記の訪中が実現するとしたら、労働党大会前になる可能性が高いというのが大方の予想だ。元政府高官は、「党大会の核心は、大きく見て“事業総和”と(新しい経済政策など)の“ビジョンの提示”」だとして、「意味のあるビジョンを提示するためには、党大会前に中国の大規模な経済協力を呼び込む朝中関係の強化が必要だ」と述べた。チョン・セヒョン朝鮮半島平和フォーラム常任代表(元統一部長官)も「北朝鮮の事情からして、金正恩第1書記が中国に行かなければならない状況だ」とし、「金書記にとっては、党大会前に行く方がいいだろうが、朝中関係をもっと見守る必要がある」と述べた。金正恩第1書記は、2015年10月9日、労働党創建70周年記念式典に出席するために訪朝した劉雲山・中国共産党中央委員会常務委員に会い、「朝鮮(北朝鮮)には、経済発展と民生改善のために、平和的かつ安定的な外交環境が必要だ 」と述べた。

 ただし、劉雲山常務委員の訪朝と金正恩第1書記の面会を通じて正常化に向かっていた朝中関係が、2015年12月12日、北京公演直前に突然北朝鮮に帰ったモランボン(牡丹峰)楽団事件以来、悪化しており、金正恩第1書記の訪中の可能性が低くなったという指摘もある。チャ・ドゥヒョン京畿道知事外交政策特報は12月22日に牙山政策研究院で行われた「2016年国際情勢の見通し」の発表会で、「金第1書記の訪中や習近平主席の訪朝は、両方とも今年中には実現しないだろう」と予想した。

 しかし、パク・ビョングァン国家安保戦略研究院北東アジア研究室長は「情勢の見通しは、トレンドと方向を読み取ること」と前提にしたうえで、「中国は、従来の『親韓冷北』政策が朝中関係を悪化させ、朝鮮半島情勢を損なうと判断しており、今後『南北均衡政策』に転換する方がより望ましいと考えている」とし、「金第1書記の訪中と朝中首脳会談が実現する可能性が、2015年よりも高い」と述べた。

■金正恩第1書記の訪中と北朝鮮の核問題との相関関係 

 金正恩第1書記の訪中の可能性をめぐり、見通しが分かれているにもかかわらず、専門家の意見が一致するポイントがある。金第1書記の訪中が実現するためには、朝中首脳会談で核問題と関連し、進展した態度を表明することが前提になるということだ。国立外交院と国家安全保障戦略研究院は「2016年の見通し」で、中国が核と関連した北朝鮮の態度の変化を首脳会談開催の重要な基準としていると指摘した。元政府高官は、「朝中首脳会談が開かれるというのは、北朝鮮の核問題が安定性を持って、6カ国協議再開の可能性が高くなるという意味だ」と述べた。金第1書記が中国を訪問した場合、習近平主席に核問題と関連して“プレゼント”を贈るだろうし、習主席はそれを基にして7年以上の稼働中断状態に陥っている6カ国協議の再開に向けて動き出すだろうということだ。

■金書記の訪中と一帯一路

 朝中首脳会談が実現すれば、中国の対北朝鮮経済協力と支援が拡大強化され、“金正恩式の改革開放”と呼ばれる「我々式の経済管理方法」(5・30措置)に新たな活力を吹き込むものと思われる。また、中国東北3省の辺境経済合作区と北朝鮮の経済開発区の連携開発を通じた朝中国境地域経済協力の活性化につながる可能性がある。これは、辺境の経済開発を通じて国境周辺地域の安定を図る習主席の一帯一道構想の安全保障面のビジョンにも相通じる。

■金第1書記の訪中が実現されない場合...

 専門家たちは、金第1書記の訪中が行われず、党大会が成功裏に開催されなければ、朝鮮半島情勢に少なからず否定的な影響があると予想している。“危機の外部化”と“状況の打開”のために、北朝鮮の対南政策基調がさらに強硬に転じ、核実験と長距離ミサイル発射も検討される恐れがあるということだ。

■金正日総書記の訪中当時とは何が変わるだろうか?

 金第1書記の訪中が実現すると、そのスタイルが、金正日(キム・ジョンイル)総書記国防委員長の時と全く違うだろうというのが専門家たちの大方の予想だ。政府関係者は「金書記が2015年5月、ロシア訪問を進める際、飛行機に乗って行く方向で協議が行われたと聞いている」とし「訪中が実現すると、専用列車だけを利用していた金正日総書記とは異なり、飛行機を利用する可能性が高い」と述べた。金第1書記が夫人のイ・ソルチュ氏と共に訪中するかどうかも関心事だ。この場合、習主席の婦人彭麗媛氏との“ファーストレディ外交”が注目を集める可能性がある。中国最高指導部の接待方式も注目を集めている。金第1書記が訪中する場合、習主席と李克強首相をはじめ、共産党中央委員会常務委員級が全員参加する朝中間の伝統的な党対党の最高首脳部の交流習慣にこだわることはないだろうというのが大方の予想だ。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-01-04 19:49

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/724649.html 訳H.J

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