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朝鮮半島有事「作戦計画5015」で北朝鮮の核・ミサイルを先制打撃

登録:2015-08-28 01:21 修正:2015-08-28 17:17

 韓米軍当局が朝鮮半島の有事を想定し、新たな「作戦計画5015」を作成したことが分かった。安保環境の変化に合わせて先制打撃の概念を適用するなど、従来の「作戦計画5027」より迅速かつ積極的な軍事対応を強調していると伝えられた。

 軍関係者は27日、「チェ・ユンヒ合同参謀本部議長とカーティス・スカパロッティ韓米連合司令官兼在韓米軍司令官が6月、新たに作成された作戦計画5015に署名したと聞いている」と述べた。この関係者は、「今回に合意された作戦計画は戦争勃発など有事の際、韓米軍事力運用に関する大きな下図に当たる」とし「韓米両軍は、新しい作戦計画に基づいて除隊別の隷下部隊にまで適用される具体的な作戦計画を、年末までに作業することになる」と述べた。作戦計画5015は、来年から本格的に適用される予定であることが分かった。

 今回の作戦計画5015は、2010年10月、第42回韓米安保協議会(SCM)で韓米国防長官が北朝鮮の脅威と戦略状況の変化に総合的に対応できる新しい作戦計画樹立のため、「戦略企画指針」 (SPG)に合意したことによる後続措置だ。当時、新しい作戦計画の作成は、今年末に予定された戦時作戦統制権(戦作権)の転換に備えるための意味が大きかった。しかし、韓米軍当局は昨年、戦作権の転換を2020年代半ばまで再延期することに合意したが、「作戦計画5015」は当初の計画通りに進めてきた。

従来の作戦計画5027と新規の作戦計画5015 //ハンギョレ新聞社

 年末までに具体的な計画を完成
 北朝鮮による局地挑発に共同で対応し
 大量破壊兵器の脅威への備えに焦点
 既存の「5027」よりも迅速・積極的
 

 ミサイルなどの大量破壊兵器の脅威の増加など、軍事安保上の環境の変化に対する韓米連合戦力の軍事的対応に焦点を当てていることが分かった。従来の作戦計画5027は、主に北朝鮮の南侵に伴う全面戦争の状況を想定したシナリオに沿って、6段階の対応で構成されている。北朝鮮軍の奇襲南侵が発生した場合、ソウル北側の防衛線で北朝鮮軍を阻止し、米軍の増援戦力が到着したら、戦列を整備して反撃に出るという概念だ。

 今回の作戦計画5015は、北朝鮮の局地挑発による戦争拡大の可能性が大きくなるにつれ、韓米連合戦力が局地挑発にどのような手順で対応するかなどが検討されたものと見られる。韓米軍当局は、すでに2013年3月に「局地挑発への韓米共同対応計画」を策定したと発表した。今回の作戦計画5015には、当時合意された内容が以降の状況の変化まで反映して含まれたと伝えられた。軍関係者は、「作戦計画5027が、主に北朝鮮の全面的な南侵に備えるのに焦点を当てているのに比べ、今回の作戦計画5015には、北朝鮮の全面戦争挑発の前に、局地挑発の段階から韓米連合防衛体制をどのように稼働するかなどが盛り込まれた」と述べた。

 また、北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候が見られたら、30分以内に先制打撃するという韓国軍の「キルチェーン」の概念も、今回の作戦計画に反映されたことが分かった。軍関係者は、「北朝鮮の核・ミサイル攻撃の脅威に対しても、韓米連合防衛体制で備えるようになる」とし「北朝鮮が核・ミサイル攻撃をする前に、あらかじめ軍事的に対応して被害を予防することは、先制攻撃ではなく、自衛権に基づく対応」と述べた。

 一方、チョ・サンホ国防部軍構造改革推進管はこの日、ソウルの戦争記念館で韓国国防安保フォーラム(KODEF)の主催で開かれた安保学術セミナーに参加し、あらかじめ配布した発表文で、「私たち(韓国)主導、私たち優位の非対称戦略概念の開発」の必要性を提起し、心理戦、情報優位性、精密打撃能力とともに「斬首作戦」を例示して問題になった。斬首作戦は、有事の際、敵国が核兵器を使用しようとする兆候が見られたら、核兵器承認権者を除去し、核兵器の使用を防ぐものだという。最近、南北が軍事衝突を防ぎようやく作り上げた対話の雰囲気に、水を差すような発言だという指摘も出ている。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-27 19:51

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/706319.html?_fr=mt2  訳H.J

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