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南北会談の裏で朴大統領と金書記の“チキンゲーム”

登録:2015-08-25 01:17 修正:2015-08-25 07:16
南北高位級「2 + 2」会談の開始から3日目の24日午後、開城工業団地からのものを積んで入境した車両が、京畿道坡州市汶山邑にある統一大橋を渡っている=坡州/イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 板門店で行われている南北高位級「2 + 2」会談が、開始3日目の24日にも際限なく続いた。前日の午後3時30分に開始した第2次会談が徹夜の上に24時間過ぎても終わらなかった。最も若いホン・ヨンピョ統一部長官(51)を除けば、平均68.3歳で高齢の南北代表たちが徹夜の強行軍を余儀なくされた背景には、双方が一歩も退けない位置から交渉に乗り出した“状況の論理”が働いたものと見られる。

 まず、鋭く対立している南北の要求が、既に妥協が厳しい状態に陥ってしまったと指摘される。韓国側は、地雷の爆発と砲撃事件の犯人として北朝鮮を名指しし、これを認めることと謝罪を求めているが、北朝鮮側はすでに関連の責任を公式に否定した状況だ。また、北朝鮮側は対北拡声器放送の無条件の停止を要求しているが、韓国側は北朝鮮の謝罪なしには「絶対にありえない」という姿勢だ。南北とも自分の要求を聞き入れてもらえない限り、次の段階の議論に進めないとして、一歩も退こうとしない。コ・ユファン東国大学教授は「最初の関門から、その部分が重要な問題になったものと思われる」と述べた。

 状況がこのようになった背景には、南北の最高指導者がともに原則的な立場だけを固守しながら、交渉の当事者に裁量権を与えず、原則の貫徹のみを要求しているためと分析される。朴槿恵(パク・クネ)大統領はこの日、首席秘書官会議で「確かな謝罪と再発防止が必要だ。でなければ政府はそれに相応する措置を取るとともに、拡声器放送も継続する」と“妥協排除論”を明らかにした。北朝鮮も高齢のファン・ビョンソ局長とキム・ヤンゴン秘書が同じ主張だけを繰り返した。

 事実上合意が難しい状態で、双方とも相手が先に決裂を宣言して会談場から飛び出すことを待ちわびているのではないかという予想まで出ている。決裂を予感しながらも、以降の事態に対する責任から逃れるために“逆チキンゲーム”を繰り広げているということだ。

 南北間の対話断絶が数年間続いていたため、互いに対する情報があまりにも少なく、交渉に進展が見られないのではないかとも言われる。朴槿恵政権は、対外的には、核と人権問題と関連して対北圧迫の先鋒に立つ一方、対内的には「統一準備」を理由に北朝鮮の急変事態を示唆するような発言をした事実が明らかになるなど、南北対話に積極的ではなかったと評価される。金正恩(キム・ジョンウン)体制もまた、閉鎖的な態度で予測不可能性を高めてきたと指摘されてきた。

 今回の事案が、南北を超えて客観性のある国際社会の判断を期待するのが難しいという点も、南北間の互いに自己主張だけに繰り返す“トートロジ交渉”が幾度もなく再現される要因の一つとの解釈もされる。

 南北関係の特性上、交渉が何日も続くのが特異な状況ではないとの指摘もある。チョン・セヒョン元統一部長官は同日、SBSラジオのインタビューで、「一般的に南北閣僚級会談も3泊4日または4泊5日の日程であり、1998年の肥料会談は一週間会談を行ったが、結論が出なかった」として「(今回のマラソン交渉が)特異な状況ではないと思う」と語った。また、匿名を要求したある対北専門家は、「高位級の接触で、様々な事案が議論されているため、時間が長くかかった可能性もある」と述べた。

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-24 19:46

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/705778.html  訳H.J

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