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国家情報院、中国でハッキングプログラム運用した疑い

登録:2015-07-14 22:46 修正:2015-07-15 07:06
ハッキングチームの「ガリレオ」紹介映像 //ハンギョレ新聞社

 国家情報院が、イタリアのハッキング会社「ハッキングチーム」から購入したスマートフォン監視プログラムを、中国でも運用していた状況が明らかになった。このプログラムが国内だけでなく海外でも使われたという初めての証拠として、韓国と中国の間に外交的な波紋が広がる可能性もあり、帰趨が注目される。

 今回流出したハッキングチーム内部の電子メールデータを調べてみると、国家情報院側が中国内部で監視プログラムを運用しながら、発生した問題点を連絡した内容が出てくる。昨年4月10日、ハッキングチーム内部の技術担当者宛てに送信された電子メールを通じて、問い合わせを行ったのは「develangel1004」というGmailのIDを使っている人物だ。彼は「中国のいくつかの機器(some devices in China)においてはGSM方式で収集した情報は受け取れない。これについて知っているのか」と尋ねた。GSMとは携帯電話の通信方式で、中国では採用されているが、国内では使われていない。

 

 「develangel1004」は国家情報院側の人物が使うアドレスと推定される。ハッキングチームの他の内部電子メールによると、「(ハッキングプログラムを購入した)SKA(国家情報院を指す)と連絡する際には、develangel1004と接触せよ」という内容が出てくる。問い合わせた人は「彼ら(中国政府)は、Google、Facebookなどを遮断するように、私たちの仮想サーバー(VPS)のインターネットアドレス(IP)も遮断できるのだろうか」と尋ねた。中国政府は、自国のインターネットにファイアウォールを張って、Facebookなどの外国のサービスを遮断している。中国内部の誰かの携帯電話から引き出した情報を、インターネットを通じて外部(韓国)で受け取れず、これに対する解決策を問い合わせたものと見られる。この人物は中国系コンピュータメーカーの「レノボ」とスマートフォンメーカー「シャオミ」の機器のハッキングが可能かどうかも尋ねた。

 これに対してハッキングチームは返信で「唯一の方法は、中国内部での情報収集のようだ。中国内部のインターネットアドレス(IP)は、中国政府のブラックリスト(遮断対象)ではないはずだから」と答えた。また、「(私たちのプログラムは、)レノボとシャオミに対してもすでにサポートしている」と付け加えた。

 監視対象が誰なのかについての情報がまだはっきりしていない状況で、このような活動が中国との外交問題にまで飛び火するかを判断するのは難しい。韓国国籍者が対象である可能性もあるからだ。ただし、複数の機器について問い合わせたことから、対象者が複数であり、中国の無線通信を使用している者という程度が分かっているだけだ。しかし、ターゲットが中国国籍者となると、他国の国民を同意なしに不法監視した大きい情報人権侵害に該当し、具体的な証拠が明らかになれば、外交紛争につながり兼ねない。

 実際、2013年、米国家安全保障局(NSA)の元職員エドワード・スノーデン氏の暴露によって、米国、ドイツ、フランスなどの高官と市民に対して携帯電話の傍受などを行ったという事実が公開され、友好国の間で大きな外交的な波紋が広かった。

クォン・オソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-07-14 20:16

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/700247.html  訳H.J

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