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最後まで難航する日帝強制徴用施設の世界遺産登録

登録:2015-07-03 23:45 修正:2015-07-04 06:32
チェ・ジョンムン外交部ユネスコ協力代表(左)と新美潤・日本外務省国際文化交流審議官が先月9日、ソウル鍾路区の外交部庁舎で開かれた日本近代産業施設の世界遺産登載推進に関連する両国間2次協議に参加し握手した後、席へ向かっている =ニューシス

 日帝強制占領期間の朝鮮人強制徴用施設が含まれる日本近代産業革命施設の世界遺産登録に対する最終決定が、事実上明日に迫ったが、韓日間の関連交渉は終盤まで難航している。

 先月29日にドイツのボンで開幕した第39回世界遺産委員会(WHC)は、4日午後10時(韓国時間)から始まる審査会議で、日本側が「日本明治産業革命遺産群:九州-山口地域」というタイトルで申請した近代期産業施設の登録の可否に対する議論を始める予定だ。 委員会での議論が順調になされれば、最終的な登録はこの日午後遅く(韓国時間で4日夜または、5日未明)にも決定される。韓国側は強制徴用事実の明記を要求してきたし、先月の韓日外交長官会談後にユン・ビョンセ外交部長官が「円満に妥結することに認識を共にし、緊密に協議していくことにした」と話すなど、事実上合意がなされたように見えた。

 だが、日本側が「韓国の意見陳述」を問題視していると伝えられ、登録の可否を巡る韓日間交渉は終盤まで難航している。 韓国が委員国の権利である「意見陳述」で強制徴用など歴史問題を指摘する可能性に対し、日本側が敏感に反応しているためだ。 日本の共同通信は2日の報道で、この場合、世界遺産としての価値が損なわれかねないと判断した日本が発言文の内容を事前に調整することを要求しているが、韓国が難色を示していると報道した。

 杉山晋輔・日本外務省外務審議官(次官補級)が先月30日に非公開で韓国に来て、1日にキム・ホンギュン次官補とチョ・テヨル第2次官と面談したのに続き、2日にはキム次官補に再び会ったのもこのような現地状況を反映したものと見られる。 両者はドイツでも3日に両国間接触を行うと発表した。 もし、韓日が合意に到らないままに票対決まで進むことになれば、今後の両国関係で新たな重大な要因になりかねない。ユン・ビョンセ長官が就任2年余を経て最近初めて日本を訪問したのに続き、国交正常化50周年記念式に両国首脳がそれぞれ自国での行事に参加するなど、好転するかに見えた両国関係が梗塞局面に再び入り込む可能性もある。

 今回の審査会議では韓国が登録を申請した「百済歴史遺跡地区」に対する審査も行われる。 百済歴史遺跡地区は、忠清南道公州(コンジュ)と扶余(プヨ)、全羅北道益山(イクサン)地域にある百済遺産9カ所で構成されている。 審査の順序が日本の産業遺産群(13番目)より後(15番目)なので、5日午前(韓国時間)に登録の可否が決定されるものと見られる。 これに先立ってユネスコ諮問機構で世界遺産の事前審査を行ってきたイコモス(ICOMOS=国際記念物遺跡協議会)が登載を勧告した経緯があるので、異変がない限り韓国の12番目の世界文化遺産登載は有力に見える。登載が確定すれば百済遺産としては初めての世界文化遺産になる。

キム・ウェヒョン、ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/698753.html 韓国語原文入力:2015-07-03 16:37
訳J.S(1479字)

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