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韓国保健当局、MERS沈静化の判断留保

登録:2015-06-25 01:29 修正:2015-06-25 07:10
MERSで追加の感染者が発生し、新規外来・入院・救急治療室の診療が中断されたソウル広津区陵洞路にある建国大学病院で24日午後、従業員が外来患者の待機席などを消毒している=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 先週後半、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの流行が沈静化しつつあると診断した韓国の保健当局が、建国大学病院などで管理網の外にいた患者が相次いで感染したことが判明し、サムスンソウル病院でも感染経路が不明な確定患者が出たことを受け、再び判断を留保した。

 クォン・ドクチョル保健福祉部中央MERS管理対策本部(対策本部)総括班長は24日、政府世宗庁舎で行われたMERS毎日ブリーフィングで、「先週末までは(MERSの流行が)沈静化しつつあると判断したが、追加患者が出ており、現時点では(沈静化の判断について)答えられない」と述べた。対策本部のMERS患者集計によると、18日と19日には新規感染者数がそれぞれ1人、0人だったが、20日から22日までは1日3人に、23日には4人に増えた。

 特にMERSの2次流行地であるサムスンソウル病院で追加患者の発生が続いている。4日、8日、9日にこの病院を訪れて診療を受け、22日感染が確定した70代半ばの男性患者(174番目の患者)は、感染経路が確認されていない。チョン・ウンギョン対策本部現場検査班長は「この患者の動線を、監視カメラを通じて分析しているが、137番目の患者である緊急治療室搬送要員と動線が重ならないため、他の確定患者との接触の可能性を念頭に置いて調査している」と述べた。

 この日、確定患者名簿に載った177番目の患者(50、女性)は、サムスンソウル病院の緊急治療室で5月27日から29日まで14番目の患者と接触した後、最大潜伏期間から11日後の25日に確定判定を受けた。確定患者が相次いで出てくるうえに、感染経路も不明なため、保健当局は同日、この病院の部分閉鎖を無期限延長することにした。サムスンソウル病院の部分閉鎖延長の決定には、病院側の意志も反映されたと伝えられた。前日イ・ジェヨン・サムスングループ会長が直接謝罪までしただけに、再開院後に追加患者が出ると、批判が強まることも予想されるからだ。同病院は特に、MERS確定患者を治療する医療スタッフの中から追加の感染者が出てくる可能性を最も恐れている様子だ。

 保健当局が緊張の糸を緩めないもう一つの場所は、江東聖心病院と建国大学病院だ。 173番目の患者は、江東慶煕大学病院の緊急治療室で76番目の患者と接触した後、近所の医院や薬局などを転々としてから江東聖心病院に入院し、感染確定の判定を受けた。これにより、江東聖心病院の救急室と検査室が48時間以上閉鎖され、新規入院や手術なども中断された。この患者が、先に入院していたカイザーリハビリ病院などでも、新しい感染患者が出る可能性がある。ソウル市は、173番目の患者に関連する自宅隔離対象者だけで1000人に達すると把握している。ソウル市は彼らを対象に調査を行い、症状があると回答した13人の検体を採取して検査を進めている。

 この日部分閉鎖が決まった建国大学病院も不安に包まれている。 21日感染が確定した170番目の患者(77)のように、この日確定者名簿に載った176番目の患者(51)も、6日に76番目の患者と6階の同じ病棟に入院していたが、保健当局の管理対象者には含まれていなかった。追加感染の可能性があるという意味だ。この2人の患者は、76番目の患者と同じ病棟にいたが、看護師室を境に反対側の病室にいたとの理由で、管理対象から外れていた。

キム・ヤンジュン医療専門記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-24 19:41

https://www.hani.co.kr/arti/society/health/697370.html  訳H.J

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