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[ニュース分析] 注目される韓日首脳会談の開催

登録:2015-06-22 00:46 修正:2015-06-27 18:09
20日、東京都心の神保町を通る靖国通りで「日韓つながり直しキャンペーン2015」が開催された(写真右)韓日外相会談に反対する日本の右翼団体(写真左)=キル・ユンヒョン特派員//ハンギョレ新聞社。

 韓日両国が韓日国交正常化50周年記念行事をきっかけに、全面的な関係改善に乗り出している。特に朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相が22日、それぞれ互いの政府主催で開かれる記念行事への参加を急きょ決めたことで、両国の関係改善が予想よりも速いスピードで行われそうだ。

 先月に開かれた財務長官会談と国防長官会談で、関係改善の兆しを見せた韓日両国が、21日の外相会談に続き、翌日には両国首脳が直接前面に出る場面を演出している。 1965年の国交正常化以来、最悪といわれる韓日関係が、両首脳の今回の相互参加をきっかけに、朴槿恵政権の発足以来、初めての韓日首脳会談が開催されるかも注目される。

 実際、この日、東京で開かれたユン・ビョンセ外交部長官と岸田文雄外相の外相会談でも、韓日首脳会談の開催問題が議論されたことが分かった。これまで朴大統領は慰安婦問題の解決を事実上首脳会談開催の前提条件として固守してきたが、最近、このような強硬な態度を和らげるなど、気流の変化を見せている。このため、今回の会談で、今年の下半期に予定された複数の多国間首脳会議などを契機に、韓日首脳が自然に会う方向で協議が行われるのではないかという見通しが出ている。

 これに先立ち、ユ・フンス駐日韓国大使は20日、毎日新聞とのインタビューで「従軍慰安婦解決が首脳会談の前提なのか」という質問に、「前提ではない」とし、「(ただし)首脳会談が開催される際には、首脳間である程度この(慰安婦)問題について了承が得られたうえで行われなければならない」と述べた。これら2つの事案の結び目を緩めたものと解釈される。彼は個人的な意見であることを前提に、「(11月にフィリピンで開催される)アジア太平洋経済協力会議(APEC)などの国際会議で(韓日首脳会談が)行われることを望んでいる」と話した。また、日本経済新聞は20日付で、「韓日が今年9〜11月にソウルや釜山、済州島などで、韓中日3カ国首脳会談を契機に、韓日首脳会談を開くことを検討している」と報じた。

 しかし、首脳会談まではまだ越えねばならない壁がある。慰安婦問題で被害者と国民が納得できる合意を導き出せるか、安倍首相が戦後70年談話に過去の侵略と植民地支配に対する明確な謝罪と反省を盛り込めるかがカギとなると思われる。10年前の2005年、韓日国交正常化40周年記念式典でも、当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と小泉純一郎首相が、今回のように互いの政府主催の記念行事に参加して友好を示したが、島根県が「竹島の日」を制定するなど、挑発とも捉えられる動きをみせたことで、韓日関係が急速に冷え込んだ。

 この日開かれた韓日外相会談では、慰安婦問題と関連し、大きな進展を見られなかったと伝えられた。ユン・ビョンセ長官は会談後、これと関連し、「局長級協議が進められており、進展に応じて詳細な話をする機会があるだろう」と明言を避けた。これまで8回行われた韓日局長級協議では、日本が「慰安婦被害者に財政支援を行い、安倍晋三首相が謝罪などを盛り込んだ声明を発表する代わりに、韓国も慰安婦問題の最終的な解決を保証する案」を提示したとされる。しかし、これは国家の責任を認めて賠償することなどを求めてきた被害者の要求を満たさないうえ、韓国の水曜集会の中止、慰安婦少女像の撤去などを要求するものであるため、合意に至らなかったと伝えられた。

 日本が韓国人の強制徴用が行われた施設をユネスコ世界文化遺産に登録しようとすることに関連し、「展示過程で1930〜40年代の朝鮮人を強制徴用した歴史の併記」を求める韓国側の要求に対して、日本が比較的柔軟な反応を示しているものと見られる。ユン長官はこれと関連し、「両国が協力していくことにしたので、近いうちに両国首席代表間の協議が行われたら、詳細を明らかになるだろう」と述べた。

 この日、会場である日本外務省飯倉公館前では、日本の右翼による反韓デモが行われた。「勤皇親衛隊」などを名乗る100人ほどのデモ隊は、「竹島(韓国名・独島)奪還」、「日韓国交断絶」、「従軍慰安婦の事実を歪曲する韓国なんかいらない」などのスローガンを叫んだ。このため、警察がバリケードを張って道路を遮断した。

パク・ビョンス先任記者、東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-21 21:10

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/696921.html  訳H.J

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