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[ニュース分析] 憲法裁判所、全教組の法的地位は裁判所の判断に委ねる

登録:2015-05-28 23:31 修正:2015-05-29 08:19
全国教職員労働組合組合員が28日午後、ソウル・鍾路区の憲法裁判所前で教員労組法条項に対する合憲決定に抗議する記者会見を行っている//ハンギョレ新聞社

 憲法裁判所は28日、解職された教師を組合員から除外するよう定めた教員労組法の条項に対し合憲と判断したが、全教組の法的地位については(憲法裁判所ではなく)裁判所の判断に委ねるとした。憲法裁判所の合憲決定が法外労組通知取り消し訴訟で雇用労働部側に有利に作用すると見られるが、解職者9人のために6万人に及ぶ組合員を不法労組とすることが行き過ぎた措置だという主張が受け入れられれば、全教組が勝訴し合法労組の地位を維持する可能性も残されている。

■ 「解職者は教員労組に含めてはならない」

 全教組法外労組通知事件の核心争点は、解職された教師を組合員に含めることができるか否かだ。 教員労組法第2条は、現職教師だけが組合員になりうると規定しており、憲法裁判所がこれに対して合憲決定を下したわけだ。

 教員労組は産別労組形態を帯びるので、他の一般産別労組のように解職者や求職者も組合員に含められて当然というのが全教組と控訴審裁判所の主張ないしは見解だ。産別労組は該当産業・職種に該当する勤労者全体の労働条件向上のための組織なので、解職者・求職者も組合員になれると規定している。 全教組は国公私立学校の教師たちで構成された教員労組もこのような一般産別労組と事情は同じと見ている。

 だが、憲法裁判所は学校教育という公的役割を担当する教師の特殊性を考慮すると、一般勤労者とは別に見なければならないと判断した。 憲法裁判所は「教育関連法によって特別な待遇を保証される教員の職務および勤労関係の特殊性を考慮すれば、解雇された教員が労組に加入できるようにすることは教員労組の自主性を害する恐れがある」と明らかにした。 教員でない人々が教員労組の意志決定過程に介入し、現職教員の勤労条件に否定的な影響を及ぼす結果を招く恐れがあると判断したわけだ。

 反対意見を出したキム・イス裁判官は、該当条項が労組の自主性を保護するための本来の立法目的に反し、今回の事例のように行政官庁が裁量権を乱用する根拠に悪用される素地があるため、教員労組の自主性と団結権を本質的に侵害する条項になりうると判断した。 また、教員労組は政治活動を禁止する法条項があるので、解職された教員が含まれたとしても、政治化されたり国民の教育を受ける権利が阻害される危険はないと明らかにした。

「全教組に解職者が含まれたとしても
法的地位の剥奪は必ずしも適法ではない…
法外労組化の通知は行政当局の裁量…
すでに10年間合法労組として活動…
資格のない組合員数など
諸般の事情を総合して判断すべき」

■全教組の法的地位はどうなるのか

 憲法裁判所は今回の合憲決定にもかかわらず、すでに設立申告を終え正当に活動中である教員労組の法律上地位を剥奪することは必ずしも適法なものではないと明らかにした。今回の雇用労働部の法外労組通知が適切か否かは、諸般の事情を考慮して裁判所が判断しなければならない領域だと述べた。

 憲法裁判所は「全教組が設立以来10年間、合法労組として活動しており、以前から解職された教員は含まれていたが、法外労組化通知は2013年10月になされた。 こういう事情を見ても、教員でない人が含まれていることを理由に法外労組にするか否かは行政当局の裁量にかかっている」と明らかにした。 憲法裁判所は法外労組化の是非を判断する際、資格のない組合員の数▽資格のない組合員が教員労組活動に及ぼす影響▽資格のない組合員の労組活動を禁止するための行政当局の適切な措置の有無▽該当労組がこれを是正する可能性の有無を総合して判断しなければならないと明らかにした。

 全教組が最終的に合法労組の地位を維持することができるかは、裁判所が決めることになった。法外労組通知取り消し訴訟の控訴審を受け持っているソウル高裁行政7部は、現在雇用労働部の法外労組通知処分の執行を停止させた状態だ。 全教組が合法化されて16年ぶりに再び法外労組になるか否かは控訴審裁判所ないし大法院(最高裁)に委ねられることになった。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/693314.html 韓国語原文入力:2015-05-28 20:30
訳J.S(1830字)

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