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韓国外交失敗の責任認めない外相に与野党から辞任要求

登録:2015-05-04 22:24 修正:2015-05-05 06:59
ユン・ビョンセ外交部長官(右)が4日午前、国会外交統一委員会に出席し、韓国の外交孤立を提起する議員の質疑に答える中、困惑した表情を浮かべている。ユン長官の前には「日本の歴史修正主義に対する国際社会の反応」という資料が置かれている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国外交が座標を失い漂流しているとする指摘が相次いでいる。政界の一部では、外交責任者ユン・ビョンセ外交部長官の辞任を要求する声まで出てきた。しかし、政府は誤りがどこにあるのかという態度で一貫しており、外交政策の転換を期待するのは難しい見込みだ。

 政府は、先週日本の安倍晋三首相の米国訪問で“日米新蜜月”と韓国の孤立への懸念が可視化した状況にもかかわらず、既存の外交戦略の正当性を訴えている。ユン・ビョンセ長官は4日、国会の外交統一委員会で「(安倍首相の)今回の訪米は、米国のアジア太平洋再均衡政策による首脳外交の一環として進められたものであり、年内に朴大統領をはじめとする中国、インドネシアなど東アジア主要国首脳らも訪米する予定」だと述べた。安倍首相の訪米に特別な意味を与える理由はなく、これを契機に韓国外交の危機感を煽ってはならないという主張だ。

 ユン長官は、日米新蜜月の緊密度を低評価するような発言も行った。日米防衛協力のための指針の改定により、日米同盟が「質的変化」しているという評価について、「韓米同盟とはまだ同盟の完成度の面で格差がある」と反論した。彼は「同盟の動作において強固な連合指揮体系と作戦計画を共有している私たち(韓国)とは異なり、日本の場合は、米国と分離された指揮体系を維持しながら、相互協力メカニズムの強化を推進している」と付け加えた。戦時作戦統制権を米国が持っている韓米同盟が、日米同盟より強固だという説明だ。韓国の外交・安保的主導権の確保を阻害する要因として挙げられる戦時作戦権の付託延期を、逆に日米同盟に対する韓米同盟の相対的な優位性を強調する手段とし際立たせ、韓国外交の失敗を隠すために使ったと指摘される。

 「過去の歴史問題の解決」を首脳外交など対日外交の前提条件に強く結び付けすぎたのが、結局韓日関係のジレンマをもたらしたのではとの指摘にも、ユン長官は一歩も退かなかった。彼は「状況を悪化させた原因が私たち(韓国)の外交にあるかのように言われているが、日本の歴史修正主義に起因することを明らかにする必要がある」と、日本にすべての責任を転嫁した。国内政治的な考慮が作用した朴槿恵(パク・クネ)大統領の歴史問題に対する対日強硬姿勢が、韓国の外交に障害となった点は全く認めなかった。

 韓国外交がこのように窮地に追い込まれたのは、外交当局が、韓国が直面している状況に対する戦略的な取り組みより、大統領の「首脳歴訪」の方に力を入れていたためという指摘が出ている。この日、イ・ヘチャン新政治民主連合議員は、「世界各国の首相や外相が参加しており、多くの国と会談できる機会があったバンドン会議に、教育副首相が参加したため、上手く行かなかった」とし「少なくとも首相が出席するか、外相でも参加しなければならなかったのに、そんなことをするから戦略がないと言われる」と批判した。

 韓国外交の戦略転換のために、ユン長官が辞任すべきだという声が与党からでも出てきた。セヌリ党のイ・ジェオ議員は「独島(日本名・竹島)、慰安婦、靖国神社参拝など、どれ一つ外交部が主導的に取り組めなかったし、進展もなかった」とし「対日関係の流れを全般的に変えるためには、ユン長官が『次の長官が解決してくれることを願う』という姿勢で責任を取って事態を終結させる局面が来た」と述べた。同党のチョン・ビョングク議員も「外交が方向を間違えたと言われているのに、自分一人だけが上手くやっていると言っており、仕事はしているのに結果に結びつかないから、もうユン長官の能力では対処できないだろう」と辞任要求に加勢した。しかし朴大統領は、この日、ユン長官など外交ラインに対し、「これからも所信を持って、積極的な努力を惜しまないでもらいたい」とし、”揺るぎない信任”を示した。

キム・ウェヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-05-04 20:44

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/689785.html  訳H.J

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