北朝鮮が開城(ケソン)工業団地の最低賃金引き上げ問題と関連して、とりあえず従来通りの賃金を受け取り、後日賃金引き上げ分を精算する意向を伝えていたことが20日明らかにされた。
チョン・ギソプ開城工業団地企業協会長は、北側の労働者の3月分賃金支払い期限であるこの日、ハンギョレとの通話で「北朝鮮がひとまず従来通りの賃金を受け取り、残りの引き上げ差額は後日に精算すると言った」と述べた。北朝鮮は最近、開城工業団地の既存最低賃金月額70.35ドルを一方的に75ドルに5.18%引き上げると明らかにし、韓国政府は「賃金引き上げの上限である5%を超える一方的引き上げ案は受け入れられない」と企業の賃金支払いを阻んできた。
チョン会長は「北朝鮮側は未支給分について確認書を書いてほしいという立場」だとし、「これまでも賃金支払いは10日にかけてしてきたので未支給分に対する延滞料も今週末までは猶予されるだろう」と述べた。これに伴い、開城工業団地の最低賃金引き上げを巡る南北の軋轢が破綻する前に南北当局が互いに協議する時間を週末まで持つことになった。 入居企業らはこの間、今回の3月分給与と関連して既存の月額最低賃金70.35ドルを適用するものの、引き上げ分は南北当局間の協議結果に従い今後遡及支給する方針で北側当局を説得してきたという。 チョン会長は「韓国政府が賃上げ分を支給しないように言い、入居企業が困っている点を北側が勘案したようだ」として「北側もこの問題の波紋が大きくなること望んでいない」と述べた。
開城工業団地入居企業代表の一部はこの日、賃金問題協議などのために開城を通り北朝鮮を訪問する予定だったが日程を取り消した。 チョン会長は「北側が引き上げ前の賃金を受け取ることにしたので最大の憂慮は解消されたし、今北朝鮮を訪問してもめぼしい解決策はないと見て訪北を取り消したものと理解する」と述べた。