ソン・ワンジョン前京南企業会長から10万ドルを受け取った疑惑を提起されたキム・ギチュン前大統領秘書室長が19日、突然日本に出国したが、その翌日に帰国した。
20日午前、キム前室長の出国事実が知らされると、政界を中心に逃避性の出国ではないかという疑惑が提起されるなど騒動が起こった。
キム前室長は妻とともに19日昼12時35分、金浦空港を出発し日本の羽田空港へ向かう全日本空輸(ANA)864便で出国した。 この事実はキム前室長と同じ飛行機に乗った目撃者がフェイスブックに「キム前室長が妻と思われる人と共にビジネス席に乗った」という文を載せ発覚した。
出国の事実が知らされると逃避性出国ではないかと問題にされた。キム前秘書室長の出国は検察の特別捜査チームが押収物の分析を終え、京南企業の前・現職関係者に対する召還調査を控えた状況なので大きな関心を集めた。
キム前秘書室長の側近は「妻の病院診療のために予定された出国をしたまでで、まもなく帰国するだろう」と説明したが、ちょうど20日に国会法制司法委員会の全体会議が開かれ、出国の適切性論議はさらに拡大した。 新政治民主連合のパク・チウォン議員は「この渦中に相当な位置にある方が出国したとすれば、さらに大きな国民的疑惑を買うことになる」とし「どんな経路で出国したのか、資料を提出してほしい」と法務部に要請した。 同連合はキム前秘書室長をはじめ“ソンワンジョン・リスト”に上がった8人の出国禁止も法務部に要求した。ファン・ギョアン法務部長官はこれに対し「出国禁止関連は個人身上の問題なので外部的に資料を差し上げることはできない」として「ただし必要な措置を必要な時に正確に取る」と明らかにした。
ソン前会長は自ら命を絶つ直前の9日朝、報道機関に電話をかけ「2006年9月、キム前秘書室長がVIP(朴槿恵大統領)に同行してベルギーとドイツに行く時、10万ドルを両替してロッテホテルのヘルスクラブで渡した」と主張した。 これに対しキム前秘書室長は「荒唐無けいな小説のような話」として「秘書室長になってからは一度も会ったことがない」と反論した。 しかし、その後に公開されたソン前会長の日程表を通じて、2013年11月に二人が一緒に食事をしていた事実が明らかになり、説明が偽りであったことが明らかになった。
問題はキム前室長が20日午後6時50分頃に金浦空港を通じて入国したことで一段落した。 彼は日本に行った理由や捜査に対する立場を尋ねる記者たちの質問には一切答えず、固い表情で入国ターミナルを出た。金品提供の主張が出てきた時に積極的に釈明した姿とは異なり、ほとんど口を固く閉ざしていた大統領府秘書室長時期に戻ったようだった。