セヌリ党も「親朴議員内閣制」
キム・ギチュン室長は”旧正月連休明け”辞任
朴槿恵(パク・クネ)大統領は、李完九(イ・ワング)首相承認翌日の17日、統一部長官候補者にホン・ヨンピョ大統領府統一秘書官を指名するなど、4つの省庁長官(級)に対する内閣改編の人選案を発表した。注目されているキム・ギチュン秘書室長の去就については、「旧正月連休明けに辞任」が決まっており、後任もその時に発表されると大統領府は明らかにした。空席の海洋水産部長官と国土交通省長官にはセヌリ党朴槿恵系のユ・ギジュン、ユ・イルホ議員をそれぞれの候補者として指名された。やはり長官級である金融委員長にはイム・ジョンリョンNH農協金融持株会長を指名された。ユン・ドゥヒョン大統領府広報首席は李完九新首相の要請を受けた結果であると伝えた。
この日行われた2・17内閣改造の最大の特徴は、与党の中でも「親朴議員内閣制が発足した」という評価が出てくるほど、歴代のどの政権よりも大統領と近い現役国会議員が内閣に大挙投入されたという点にある。長官候補者として指名されたユ・ギジュン、ユ・イルホ議員まで含めると、現政権の内閣には李完九首相、ファン・ウヨ、チェ・ギョンファン副首相、キム・ヒジョン女性家族部長官を合わせて、19人で構成された内閣に6人の現役議員が布陣することになる。ほとんどが”飼いならされた親朴”系人物だ。朴大統領のこのような決定は、国会議員は国会人事聴聞会の壁を越えるのが比較的に簡単で、与党・政府・大統領府の疎通にも役立つという判断からだと思われる。政権発足から3年目を迎え、大統領府が内閣を確実に掌握しようとする意図として解釈される。
セヌリ党のある議員は、「力強く仕事を進めていくためには、議員の大挙入閣が役に立つ」と語った。しかし、李明博(イ・ミョンバク)政権で大統領府報道官を務めたキム・ヒジョン長官を除いた残りの5人はすべて親朴一色という点で、蕩平・和合・感動の要素はなかなか見つからない人事というのが大方の評価だ。与党一角からは、これらの現役議員長官が来年4月の総選挙の準備のため年末に内閣から一気に抜けた場合、政策の継続性に支障をきたし兼ねないとの懸念も出ている。
今回の人事で最大の関心事だったキム・ギチュン大統領府秘書室長の後任が発表されなかった理由にも注目が集まった。ユン・ドゥヒョン大統領府広報首席は記者たちに「キム・ギチュン室長はこれまで数回辞意を表明し、朴槿恵大統領もこれを受け入れたと聞いている」と交替方針を明確にした。彼は「後任の室長は、旧正月連休明けに適切な時を選んで発表することになると思う」と述べた。
これに対して、大統領府が”李完九首相カード”に対する失望感を相殺するだけの、斬新な秘書室長をまだ用意できていないためという観測が出ている。秘書室長の候補群としては、クォン・ヨンセ前駐中大使、ヒョン・ギョンデ民主平和統一首席副議長、キム・ビョンホ言論振興財団理事長、ファン・ギョアン法務長官などの起用が噂されてきたが、与野党の評価は概ね否定的だった。大統領府が秘書室長をすでに内定して置きながら、家族や知人同士で甲論乙駁する、旧正月祭事を前にした世論を負担に思い、旧正月連休明けに発表を延期したのではないかという推測さえ出てくる背景だ。
政権発足3年目の内閣を親朴議員中心の”親衛・護衛内閣”で固めた朴大統領の国政運営方式が変化するかどうかにも関心が集まっている。朴大統領が後任秘書室長に誰を選ぶのか、そして李完九首相をはじめとする内閣にどのよう実権を与えるかを、これから注視しなければならないというのが政界の概ね共通の見方だ。ユ・スンミンセヌリ党院内代表はこの日、人選発表について、「大統領府秘書室長の人選を見守る」と述べた。セヌリ党のある重鎮議員は「もはや朴大統領も自ら果敢に変わらなければならないと感じていると信じる」と述べた。人的刷新の核心である秘書室長の人選が与党と大統領府との疎通、世代交代、業務能力など、党と国民の期待に添えなければならないという、遠回しの圧迫と解釈される。他の議員は、「朴大統領が”傷だらけ”の李完九首相に省庁を統轄する実権を与えてこそ、大統領と内閣、党のすべてが生き残れる」と述べた。逆に、朴大統領が”親朴内閣”を堅持し、与野党に対するシールドにすることで「マイウェイ」方式を固守しようとすれば、国政は引き返すことのできない下り坂を駆け降りることになると思われる。
韓国語原文入力:2015.02.17 19:36