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疑惑相次ぐなか21年ぶりの首相単独採決強行へ

登録:2015-02-12 00:01 修正:2015-02-12 11:31
首相任命同意をめぐり与野党対峙
李完九首相候補(先頭)がセヌリ党の院内代表を務めていた当時首席副代表だったキム・ジェウォン議員(左)と、アン・キュベク新政治民主連合院内首席副代表が11日午前、国会で2日目の開かれた人事聴聞会の傍聴席に座って話をしてている。イ・ジョンウ先任記者 //ハンギョレ新聞社

首相候補3連続落馬の場合は植物政権
非朴系まで任命強行に腕まくり
セヌリ党、出国議員に「復帰命令」
新政治民主連合指導部「黙って見過ごせない」
世論調査「不適合54%、適合32%」
報告書拒否・採決拒否の可能性
単独採決強行すれは大きな政治的影響
経済法案処理などオールストップ避けられない

 セヌリ党が野党の反発や21年ぶりに首相任命同意が単独処理される政治的負担にもかかわらず、12日に李完九(イ・ワング)首相候補者の任命同意案採決を強行しようとするのは、これ以上引き下がると「植物政権」に没落するかもしれないという危機感からだ。李候補者が辞退する場合、キム・ヨンジュン初代首相候補者を含め、アン・テヒ、ムン・チャングク候補者まで、朴槿恵(パク・クネ)政権発足以来4人目の首相候補者が落馬する不名誉を負うことになる。チョン・ホンウォン首相が三度にわたる後継者落馬で再び仕事を再開しなければなら最悪の状況にもつながる。

李完九首相候補者任命同意案の票決手続き。 //ハンギョレ新聞社

 ある親朴(親朴槿恵)議員は「新しい首相が任命されてから、(朴大統領は)政府人事の刷新と秘書室長の交替を進めるつもりでいるのではないか」とし、「今回は与党単独でも処理しなければならない」と話した。これまで朴槿恵政権の人事の乱脈ぶりを批判していた非朴系議員も、今回ばかりは任命強行に傾いている雰囲気だ。ある党関係者は「世論の動向がよくないので、ユ・スンミン院内代表も悩んでいるだろう」としながらも「党の状況と大統領府との関係からして、ユ院内代表は何とか李候補者が首相に就任できるようにするのではないか」と話す。セヌリ党は11日、海外の議員たちに急いで帰国するように連絡した。

 新政治民主連合は李候補者に対し慣例的な水準の検証をしようとしたが、人事聴聞特別委員会委員の積極的な活動とメディアの検証報道で候補者に関わる様々な問題が浮き彫りになると、「このまま見過ごすわけにはいかない」と流れが変わった。新政治民主連合のシンクタンクである民主政策研究院が11日に実施した世論調査の結果、李候補者の首相職への適合度を問う質問に「不適合」が54%、「適合」が32%、「分からない」が14%となった。民主政策研究院は議員たちに調査結果を公開する予定だ。

 新政治連合はこの日午後、院内対策会議を開いて対応策を協議しており、12日に最高委員会と議員総会を経て最終的な行動方針を決めることにした。最初のカードは12日の人事聴聞特別委員会で審査経過報告書の採択を拒否することだが、現在の人事聴聞特別委員会はセヌリ党7人、新政治民主連合6人で構成されており、新政治民主連合議員の全員が反対してもセヌリ党単独で審査経過報告書を採択できる。報告書の提出とともに任命同意案も本会議に付議される。

 現在の雰囲気では与党が12日の人事聴聞特別委員会で単独で審査経過報告書を採択し、国会議長がすぐにこの日の本会議で任命同意案を上程する可能性が高いと思われる。この場合、野党には採決自体を拒否したり、票決に参加して反対票を投じる方法がある。新政治民主連合幹部は「任命同意案採決は無記名で行われるため、野党議員の中にも李候補者と同郷や同窓などで親交がある場合、賛成票を投げることもあり得る。最初から本会議の採決をボイコットする方向で意見が集約されそうだ」と伝えた。与党が強行した場合、事実上野党が李候補者の任命を否決させる方法はない。

 しかし、与党にとっても、21年ぶりに首相候補の任命同意案を単独で強行採決するのは、相当な政治的負担だ。李候補者への疑惑があまりにも多く浮上し、国民世論が良くない状況で与党単独で処理した場合、予期せぬ悪影響を被る可能性が高い。李候補者にとっても、序盤の首相職を遂行する際に大きな障害となりかねない。与野党の対立が続くと、政府が2月内の通過を注文した12の「経済の活性化法案」など、すべての法案処理がストップする可能性が高く、パク・ジョンチョル拷問致死事件の捜査隠蔽疑惑で野党が人事聴聞会をボイコットしているパク・サンオク大法院(最高裁)判事候補者に対する圧迫の強度も増すことが予想される。セヌリ党のある重鎮議員は「李候補者は、歴代首相候補の中から最も悪い点だけが浮き彫りになっている。与党としては強行しようとも世論の動向に合わず、落馬させせたくても党と政府が負う傷が大きすぎて進むも退くも地獄」だとし「単独処理した場合、金武星(キム・ムソン)、ユ・スンミン体制が吹き荒れる嵐に耐えるのは容易ではないだろう」と話した。

イユ・ジュヒョン、サ・ボミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.11 20:14

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/678019.html  訳H.J

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