高速道路のサービスエリアで韓国産たばこだけを販売し、コンビニでも韓国産たばこが外国製たばこより相対的に多く見える理由は?
国産たばこを独占生産するKT&G(旧韓国煙草人参公社)がたばこ販売業者に自社製品のみを販売するよう契約を結ぶなどの不公正行為をしていたことが明らかになった。公正取引委員会はKT&Gが2008年から2014年までこうした内容の不公正取引行為をしていたことを摘発し、公正取引法の定める不当に競争者の顧客を自社と取引するよう誘引したり強制する行為(不当顧客誘引行為)をした疑いで是正命令と共に25億ウォン(約2億7000万円)の課徴金を賦課したと16日発表した。
調査の結果、KT&Gは高速道路のサービスエリアや官公庁・大学・軍部隊・リゾートの構内売店を運用する企業等と裏面契約を結び、自社製品だけを取り扱う代価として供給価格の割引、コンドミニアムの会員権購入、現金および物品支援など不当な利益を提供した。 8大コンビニの加盟本部とも契約を結び、たばこショーケース内に自社製品を60~75%以上満たすようにさせた。 コンビニなど小売店を対象としては外国製タバコの販売を一定の基準時点より減らせば一箱あたり250~1000ウォン(約27~110円)の定額補償金も支給していた。 また大型割引マート、大型スーパーマーケットなどに自社製品だけを取り扱うことを条件に、製品価格の割引幅を最大3倍まで高める方式で相対的に多くの利益を保障した。
KT&Gがこうした不当な顧客誘引行為をできたのは、国内たばこ市場の筆頭事業者としての“市場支配力”があったためだ。 KT&Gは2013年現在、3兆9千億ウォン(約4300億円)に及ぶ韓国たばこ市場の61.7%を占有している。 残りの市場はフィリップ・モリス、ブリティッシュ アメリカントバコ、JTインターナショナルなど3社の外国製たばこが分け合っている。
KT&Gは1990年代までは占有率が80%を上回っていたが、その後下落傾向となり2010年には58.5%まで急落した。公取委はKT&Gの不当な顧客誘引行為がこのような市場状況の変化と関連があると見ている。KT&Gの占有率は2011年以後は徐々に回復傾向を示している。
公取委のキム・ジェジュン ソウル事務所長は「市場で自社製品だけを陳列・販売するように進入障壁を人為的に設定し、競争会社製品の販売を減少させたことは市場競争を深刻に制限し、消費者の選択機会を剥奪する代表的な不公正行為」と説明した。 これに対してKT&Gは「公取委の処分を謙虚に受け入れ、すでに是正措置を取った。今後役職員に対する公正取引教育を強化し、遵法意識を高めて再発防止に最善の努力をつくす」と明らかにした。