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韓国与野党「増税・福祉」議論を加速

登録:2015-02-04 22:26 修正:2015-02-05 08:58
セヌリ党のユ・スンミン院内代表。//ハンギョレ新聞社

 韓国の現実に見合った福祉と税金の水準を議論する機構を作る動きが政界で本格化している。セヌリ党は党内政策機構である政策委員会を拡大して税金の問題と福祉を議論する方針を明らかにし、新政治民主連合は与党に対し、政界だけでなく国民が参加する「汎国民租税改革特別委員会」の設置を提案した。

 セヌリ党の新しい院内司令塔になったユ・スンミン院内代表は4日、ハンギョレとのインタビューで「増税と福祉の問題を議論するための党内機構を新設する案を検討している」と明らかにした。 ”増税”から”福祉の構造調整”まで、様々な解決策を打ち出している所属議員たちの意見を集約する議論の場が必要であるという理由からだ。

 与党は、このために政策委員会を拡大・改編する方針だ。ユ院内代表の側近は同日、ハンギョレとの通話で「ユ院内代表の長期的な目標は、”中負担中福祉”だが、これを実現する方法については党内の議論と与野党の合意が必要な問題」だとし「増税を含む様々な意見を公論化するために政策委を拡大・改編する予定」だと述べた。

 ウォン・ユチョル政策委議長も同日、国会で開かれた党最高重鎮連席会議で「院内代表と相談して民生政策委員会を推進する」と方針を明らかにした。その委員会では福祉と税金をはじめ労働、保育、民生など、国民生活と密接な政策を個別に扱う機構として検討されている。

 セヌリ党がこのように党内の議論機構の準備に乗り出したのは、来年の総選挙を控え、党が庶民と密接な政策を主導しなければ世論の支持を取り戻せないという判断からだ。たばこの値上げと年末調整問題に続き、健康保険料の改編などで国政運営混乱の様相が浮き彫りになる中、このままでは総選挙で惨敗を免れないという危機感が働いたのである。

 新政治民主連合は、福祉財源案を議論する社会的大妥協機構を国会に設置しようと与党に提案した。ウ・ユングン新政治連合院内代表はこの日、交渉団体代表演説で「租税の公平性は何よりも重要だ」とし「不平等が悪化している状況で、すぐに議論を始めるためには、与・野・政及び専門家、市民社会団体の代表が参加する『汎国民租税改革特別委員会』を国会に設置することを提案する」と述べた。新政治民主連合はとりあえず法人税を正常化し、所得税の累進性の強化など”金持ち増税”を通じた租税公平性の確立を基本方向としている。

 これに対しユ・スンミン院内代表は、国会で記者らと会い、野党の提案について「考えてみる」としながらも「税金と福祉の問題は(議論機構などを通じて)堂内で意見調整が必要な部分なので、今すぐ(野党の提案に)応えるのは難しい」と話した。

キム・ギョンウク、イ・スンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.02.04 20:08

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/676917.html  訳H.J

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