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原油価格反騰したが底を打ったか不透明

登録:2015-02-04 10:35 修正:2015-02-04 11:25

 今年に入り40ドル台に暴落した国際原油価格が反騰し、再び50ドル台を行き来している。原油価格が底を打ち傾向的に上昇するか関心が集まっている。

 3日、韓国石油公社の原油価格情報サイト「オーピーネット」によると、2月最初の取り引き日の前日に北海産ブレンド油は54.75ドル、米国産西部テキサス油(WTI)は49.57ドル、中東産ドバイ油は48.81ドルで場を締めくくり、世界3大油井がそろって50ドル台を上回った。ブレンド油は今年に入り最初の取引きで二日連続で50ドル台を記録し、西部テキサス油は2日の場締め切り後の電子取り引きで一時50ドル台で取り引きされた。

2015年初めからの国際原油価格の推移。 //ハンギョレ新聞社

 今回の上昇の勢いは米国の油井情報企業ベーカーヒュースが「米国内で採掘活動をする石油ボーリング機が先週1223機で一週間で97機、7%も減少した」と30日に発表したのが大きな影響を与えた。活動中の石油ボーリング機数は昨年10月に1609機で頂点に達した後に下り坂をたどっている。米国のシェール企業が原油価格急落で採算性が合わなくなり事業を次々と中断しているためだ。このため米国の原油生産量が減るだろうとする期待が大きくなったことが今回の原油価格反騰の背景にある。

 米国シェール業界が収益性悪化で苦戦する兆しはあちこちで伺える。米国の精油と送油管事業部門の労働者が所属する米国鉄鋼労働者組合(USW)は1日、精油業界の交渉代表となるシェルとの労使協議交渉の決裂を宣言し、テキサスなど9つの事業場でストライキに突入した。これほど大規模ストライキは1980年以後初めてだ。米国の掘削業界では収益性悪化により鉱区閉鎖と数千名単位の人員削減が進行するなど構造調整の不安が広がり、労使問題に発展しているのだ。 

 だが、こうした不協和音を信号として捉え、再び50ドル台を上回った国際原油価格が傾向的な反騰となり続けるかは不透明だとする分析が多い。米国内で活動する石油ボーリング機数は減ったものの、原油の実際の生産量は減っていないからだ。現在のボーリング機の活動は昨年10月を高点とすると24%ほど減っている。だが、金融危機直後を高点とした場合60%も減っており、まだ余裕がある。また、技術の発達でボーリング生産性が高まり、活動ボーリング機が減っても米国内の原油生産は期待するほど早く減らないという予想もされている。例えばガスボーリング機の現況を調べると、金融危機当時の1600機から現在の300機ほどまでに減ったが、技術発達で生産量はむしろ増えている。さらに中国の今年1月の製造業購買管理者指数(PMI)や米国の昨年12月の家計消費支出推移が悪化するなど、景気鈍化と需要萎縮に対する憂慮も依然として残っている。

 NH投資証券アナリストのカン・ユジン氏は「冬季暖房需要が終わり3~4月に世界の精油施設がメンテナンスのため稼動率を低くする時期が近づいているのも、原油価格の底を確信しにくくさせている」と話した。

チョン・セラ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.03 20:10

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/676689.html 訳Y.B

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