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国際原油価格の変動は米シェールオイルのボーリングマシーン数で分かる

登録:2015-01-23 09:08 修正:2015-01-23 11:10
昨年末にピーク…1カ月で10%減る
40ドル台に留まると採算合わず
石油価格は底を打ったとの展望も
米国内の油田ボーリング数推移。 //ハンギョレ新聞社

設備投資減り建設、造船、鉄鋼が苦境
米国向け鋼管輸出に依存した韓国に打撃

 米国で稼動中の油田ボーリング数が今後の国際原油価格の尺度となり、この数字の変動に韓国の造船、建設、鉄鋼産業も影響を受けるほかないとする興味深い分析がされた。OPEC(石油輸出国機構)がシェールオイルに「減産不可」で対抗しオイル価格を落とす“チキンゲーム”をしている渦中であるだけに、米国でのシェールのボーリングマシーン数の変化が今後の石油価格の流れを示す先行指標になるというのだ。

■ボーリング工事数で見た石油価格展望

 世界経済の耳目が低油価現象に注がれるなか、石油関連企業が近頃見守っているデータが米国内の原油・ガスのボーリングマシーン数の動きだ。米国のシェールオイル生産量を推定できる基礎資料になるためだ。

 米国ではすでに昨年12月からボーリング活動が減少し始めた。米ヒューストンの油田情報サービス企業ベーカーヒューズによると、9日現在米国で採掘活動を進めているシェールオイル・ガスのボーリングマシーンであるリグ(rig・陸上+海上)稼動台数は合計1750機だ。このうち石油ボーリングマシーンは1421機で、昨年12月5日以後1カ月で154機も減った。昨年2月以後最も少ない数字だ。国際石油価格が40ドル台に留まると、採算が合わなくなった米国内のシェール企業等が設備投資を減らしているのだ。グローバル投資銀行のクレジット・スイス銀行は最近、今後12カ月~19カ月かけ世界の油田ボーリングマシーンが15~20%ほど減少すると見通した。

 米国内でのボーリングマシーンの減少は、国際石油価格を低くしてシェールオイルの経済性を弱めようとするサウジアラビアの牽制・圧迫カードが功を奏しているとの分析もされている。サウジアラビアのアリ・ナイミ石油長官は最近、「オイル価格が20ドルに下落してもOPECには何の影響もない」と生産縮小の可能性を一蹴した。

 さらに米国内シェールオイルのボーリングマシーンが速く減り、国際石油価格が底を打ったとする解釈も提起されている。ポスコ経営研究所は22日に出した「オイル価格急落」に関する報告書で「サウジの財政均衡のための適正オイル価格は89ドルと推定される」としたうえで「OPEC加盟国の財政的な打撃によりチキンゲームを1年以上持続させるのは難しいだろう」と展望した。

■ボーリングマシーン数と国内産業

 米国のシェールブーム鈍化にともなうボーリングマシーンの減少は、鉄鋼産業における原油油田および輸送用鋼管や造船用厚板、さらにエネルギー関連建設、造船業種にも直撃弾として作用する。低油価でキャッシュフローが悪化したオイルメジャー各社が新規設備投資を縮小し、財政困難に陥った産油国も原油プロジェクトを一斉に遅延もしくは取り消して規模を減らしているためだ。

 グローバル投資銀行のバークレイズは今年の北米エネルギー石油企業等の資本支出が昨年比20~25%ほど減ると展望した。またゴールドマンサックスは世界に400ある大型油田・ガス田を調べた結果、ブレンド油がバレル当たり70ドルで留まる場合、合計9300億ドル(750万バレル)規模の油田関連新規投資が収益性なく失敗に終わる危機に直面したと推算した。

 ポスコ経営研究所チェ・プシク首席研究員は「韓国は鋼管輸出の72%が米国向けで対米依存度が高く、低油価でシェールガス事業が不振に陥ると自ずとボーリング活動が縮小され、油田鋼管の場合、需要と価格の同時下落という二重苦に直面している」と話した。クレジット・スイス銀行は鋼管価格が今後最大で20%ほど落ちると分析した。昨年12月にシェブロンがカナダ北極海油田のボーリング計画を無期限延期するなど、高費用深海油田開発プロジェクトも投資が遅延・縮小され、建設業種の海洋プラント製作市場も沈滞が避けられない状況だ。海洋プラントとLNG船およびLPG船の発注延期および減少により造船業も萎縮し、影響は鉄鋼産業に広まり造船用厚板需要を落としている。

チョ・ケワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.01.22 19:41

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/674840.html 訳Y.B