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韓国大統領府で史上初の「抗命」、朴大統領リーダーシップ再び打撃

登録:2015-01-09 20:30 修正:2015-01-10 06:59
キム・ヨンハン大統領府民政首席。//ハンギョレ新聞社

「国会に出席すならいっそ辞表を出す」と反旗
キム秘書室長「キム首席の辞表受け取り大統領に解任を建議する」
新政治民主連合「青瓦台のシステムが徹底的に壊れた」
セヌリ党も「残念」

 キム・ヨンハン大統領府民政首席秘書官(58)が9日、秘線(隠密の)実力者国政介入疑惑に関連した国会運営委員会への出席を拒否し辞退した。与野党はこの日午前、キム民政首席の運営委出席に合意し、キム・ギチュン大統領府秘書室長が直接国会への出席を指示したにもかかわらず、キム民政首席が拒否し前例のない“抗命辞退”をしたことになり波紋が呼びそうだ。“朴槿恵大統領府”のリーダーシップが根底から揺らぐ危機を迎えている。

 この日国会運営委で起きたことを総合すると、与野党は前日までキム民政首席の出席に関し合意を得られなかったが、運営委はすでに開かれた当日午前になり出席させることで合意した。キム首席は「チョン・ユンフェ国政介入」文書の流出に関連し、大統領府特別監察を指揮した当事者であり、野党はキム首席に対し流出関連者への懐柔および強圧調査の有無などについて問い質す予定だった。

 しかしその後“突発状況”が発生した。キム・ギチュン秘書室長がキム民政首席に国会出席を指示すると、キム民政主席が「国会に出て行くくらいならいっそ辞表を出す」とキム秘書室長に反旗を翻したのだ。 午後に開始された運営委会議でキム秘書室長は「出席するよう指示したが、本人が出席できないという趣旨の行動を取っている。 強力な応分の責任を問わなければならないと考える」として「民政首席の辞表を受け取り(大統領に)解任を建議する」と明らかにした。

“秘線”実力者の国政介入疑惑に関連し国会運営委員会が開かれた9日午後、キム・ヨンハン大統領府民政首席が出席を拒否し辞意を表明するなか、キム・ギチュン大統領秘書室長(右)がユ・ミンボン国政企画首席(中)、チョ・ユンソン政務首席と話している。イ・ジョンア記者 //ハンギョレ新聞社

 これに先立つこの日午前、キム秘書室長は運営委に出席して今回の文書流出問題に関連し謝罪した。 キム秘書室長は流出問題に対する責任を問う質問に「秘書室長として秘書室職員の逸脱行為に対して国民に心配をかけ批判を受けていることに極めて重い責任を感じ、非常に申し訳なく考える」と明らかにした。 キム秘書室長は続けて「私は決して席に執着しようとは考えず、私の役目が終わればいつでも退く心構えを持っている」と付け加えた。

 だが、この日午後に起こったキム民政首席の“抗命辞退”のため大統領府とキム秘書室長は一層激しい批判と責任に直面するものと見られる。野党はもちろん与党内部の反応も冷たかった。 セヌリ党運営委幹事であるキム・ジェウォン議員は「本当に遺憾だ。 重大な責任を負っている民政首席ならば、いくら辞意があっても与野党の国会出席合意に対して誠心誠意を尽くし最善を尽くすのが公職者の姿勢」と批判した。 新政治民主連合パク・ワンジュ院内スポークスマンは「青瓦台(大統領府)の国会無視の態度がどれほど度を越したものか、そして大統領府の内部システムがどれほど徹底的に壊れたのか、国民の前に素顔を現した」として「勤務規律を正すというキム・ギチュン秘書室長の約束がインクも乾かないうちに無惨に踏みにじられた」と指摘した。

ソク・ジンファン、イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/672930.html 韓国語原文入力:2015/01/09 19:55
訳J.S(1635字)

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