「健康保険が適用される診療と適用されない保険外診療との収益差から先ずなくすべきです」。市民団体「私が作っていく福祉国家」のキム・ジョンミョン政策委員は、健康保険が適用される必須診療は原価対比収益が低いのに対し保険外診療は高く設定され、政府が事実上、保険外診療を誘導していると述べた。彼は安全性・効用性が検証されていない非給付診療が増え、患者が手術の合併症に苦しんだり、過剰診療費を抱える被害が増えていると付け加えた。医師たちは保険外診療が多くて収益の大きな整形外科や皮膚科などに集まる。キム委員は「病院が健康保険の適用される診療だけを行なっても赤字にならない仕組みでなければ、患者も安全に診療を受けることができない」と指摘した。
医療界と学界もおおよそ同じ意見だ。 大韓病院協会のチョン・ヨンホ保険政策委員長は「大学病院の収入の35%程度がロボット手術や高価な検査装備を活用した保険外診療から出ている。その下の段階にある総合病院は、その比率が20%くらいだ。大学病院などは保険外診療で収益を合わせているが、それができない中小病院は倒産の危機に置かれている」と話した。忠北大学医学部のカン・ギルウォン教授は「健康保険適用の診療で赤字にならないだけでも、専攻科目の不均衡現象をかなり解消できる」と主張した。
保健福祉部も、このような指摘を受け入れて改善策を講じている。ソン・ヨンレ福祉部保険給付課長は「保険適用診療で手術や検査によって収益率に大きな差があったり、非給付の収益率が保険適用診療よりもはるかに大きいという問題を改善する方案を推進しているところだ」と話した。
入院患者を診る医師をもっと増やして、特定の科に対する忌避現象を緩和しようという提案も出ている。ソウル大学医学部のキム・ユン教授は「病院に入院したことのある患者なら、夜間に医師には会えないことを知っている。内科専門医に入院担当主治医役を任せれば、患者の満足度も高まり内科専門医の雇用も増やすことができる」と提案した。大韓泌尿器科学会のイ・ヨング保険副会長は「療養病院に入院している患者の半数が尿失禁などを抱えている」として「療養病院が泌尿器科専門医を雇用するよう法規定を整備することも、泌尿器科を生かす一つの方法だ」と話した。