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韓国雇用部幹部が「派遣を規制するのは韓国だけ」と発言

登録:2014-11-26 00:42 修正:2014-11-26 06:29

 雇用労働部の高位幹部が、派遣労働を全面許容すべきとする趣旨の発言をし問題になっている。 企画財政部側から「正規職解雇要件の緩和検討」発言が出てきた翌日に、今度は労働問題の主務部署である雇用労働部の幹部が「派遣規制の廃止」を示唆する発言を公式席上でしたために、韓国政府が労働柔軟化に対する全般的な検討に入ったのではないかという分析が出ている。

 チョン・ヒョンウ雇用労働部労働市場政策官は25日午後、韓国経営者総協会の主催でソウル麻浦(マポ)区の経営者総協会会館で開かれた「雇用形態公示制の問題点と改善方案討論会」で、「他の国では派遣労働をほとんど規制していないのに、唯一韓国だけが規制している」として「この時点で派遣業種規制をなくしても、企業が果たして派遣労働を使うだろうか」と話した。

 さらにチョン政策官は「派遣法制定当時、政府案は(派遣禁止業種のみを明示する)ネガティブ方式だったが、労働界と政界の立場が反映され、結局、許容業種を選び出すポジティブ方式で法制化された」として「労働関連制度は常に正しい道に進むのは難しく、時にわき道にそれたり戻ったりするが、今や世界と競争する韓国企業の環境を考慮すれば(労働市場が)柔軟な形態になる必要がある」と強調した。 派遣規制を廃止する必要があるということを明確にしたわけだ。

 政府は昨年12月、55歳以上に対する派遣業務を全面的に拡大する方針を明らかにしたことがあるが、今回の発言内容を見れば、雇用労働部が派遣労働を全面拡大する方案も検討している可能性が高いものと思える。 仕事は元請業者の事業場でするが所属は派遣業者という代表的な前近代労働として批判を受けている派遣労働の場合、雇用不安が著しく労働条件が劣悪だ。1998年7月から施行された「派遣勤労者保護などに関する法律」(派遣法)は、派遣労働の許容業種を32種に制限しているが、経営者総協会など使用者側は派遣禁止業務だけを明示し、事実上派遣労働を全面許容する「ネガティブ方式」に変更することを要求し続けてきた。

 チョン政策官が事実上不法派遣を容認するような発言をしたことも問題だ。 チョン政策官はこの日「すでに存在する派遣も不法派遣として見るのは正しくないと個人的には考える」として「むしろ協力業者に所属する勤労者たちの福祉を高める側で奨励しなければならないのではないかと思う」と話した。 これは現代自動車社内下請けに対する裁判所の不法派遣判決を誤りだと見る視角を事実上表わしたものと解釈される。チョン政策官のこの日の発言は「個人的意見」という但し書きが付けているものの、私席でなく政府・企業・経済団体関係者100人余りが参加した公式討論会で出たという点で見過ごせない。

 これについてイム・ソジョン雇用労働部スポークスマンは「(55歳以上の)高齢者と専門職種に対する派遣業種拡大方針はすでに発表したところであるが、全面許容については全く検討していない」と明らかにした。 イム スポークスマンは「社内下請け不法派遣に関しては裁判所の判決を尊重するというのが雇用部の公式立場」とし「ただし元請けが下請け業者に福祉や産業安全について配慮した部分までを(裁判所が)不法派遣の(判断)根拠とした部分については残念だ」と話した。

チョ・ケワン記者、世宗/キム・ソヨン、チョン・チョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/666171.html 韓国語原文入力:2014/11/25 22:16
訳J.S(1598字)

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