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朴大統領公約の「月面探査計画」は第2の「ロボット魚」になる

登録:2014-11-11 20:42 修正:2014-11-12 06:41
月面。 資料写真//ハンギョレ新聞社

予備妥当性調査の通過が遅れ予算編成不発
未来部、遅れて国会常任委に事業費反映を要請
新政治民主連合「無理な公約のせいで血税を浪費することに」批判

 「2020年まで月面に太極旗をはためかせる」という朴槿恵(パク・クネ)大統領の大統領選挙公約が11日“メモ予算”論議に巻き込まれた。

 ソ・ヨンギョ新政治民主連合議員はこの日、国会予算決算特別委員会で「朴槿恵政権の国政課題である月面探査事業が予備妥当性調査を期日までに通過できず、来年の政府予算案に反映されなかった。政府は年末に行われる国会の予算審議過程で400億ウォン(1ウォンは約0.1円)の予算を組み込もうとしている」として「これは典型的な政府側の“メモ予算”」だと主張した。 本来メモ予算とは、国会の予算案審査の際に議員が自分の地方区の事業費を獲得するために予算決算委員に非公式的に予算を要請することを言うが、ソ議員は政府が当初予算案になかった事業を組み入れようとしていることを政府側メモ予算と遠回しに言った。

 野党は政府が月面探査計画を急いで進めようとしているのは、事業の客観的な必要性よりは政治的意図があると見ている。 朴大統領は2012年12月の大統領選挙候補当時にテレビ討論で「2025年に月に着陸船を送る計画を2020年まで操り上げる」と明らかにした。 以後、月面探査事業は翌年5月の新政府国政課題に選ばれ、宇宙開発中長期計画に反映された。 2017年までに国際協力を通じて試験用月軌道船を開発し発射して、2020年には韓国型発射体を利用して月軌道船と着陸船を自力発射するという内容だった。

 しかし、月面探査事業を2020年までに終えることは可能なのかという疑問が提起された。 今年7月、チェ・ヤンヒ未来創造科学部長官候補者の人事聴聞会でも論議になった。 当時チョ・ヘジン セヌリ党議員が「(月面探査は) 2025年まででも難しいのが現実ではないか」と尋ねると、チェ候補者は「私も完ぺきに検討したことではないが、月面探査船自体を自主技術で作るということはとても難しい宿題だと判断する」と答えた。

 未来部と韓国航空宇宙研究院が今年9月に作成した月面探査事業推進計画案にもこのような憂慮が出ている。 未来部は月面探査事業の必要性として「融複合宇宙開発の試みを通じて他事業に技術を波及するなど“創造経済”に寄与でき、国家地位の向上、国家ブランド広報、国民の自負心鼓吹、理工系活性化、青少年に夢と希望を与える」とし、「韓国型発射体の2019年試験発射、および2020年の月面探査船発射は日程上無理があるが、挑戦的な目標を達成することによって宇宙先進国との技術格差を短縮できる」と書いた。

中国の月面探査船、嫦娥3号がロケットに載せられ発射されている。西昌衛星発射センター/新華ニューシス

 政府は2017年までに行われる1段階事業に対して予備妥当性調査を実施したが、調査結果は9月末に出た。 結局、月面探査事業費は9月18日の政府予算案発表時に含まれず、9月23日に国会に提出された予算案にも反映されなかった。 その後、未来部は「経済性がある」という予備妥当性調査結果を根拠に、1段階予算総額2000億ウォンのうち来年は事業費400億ウォンを反映してほしいと該当常任委員会に要請した。

 ソ議員は「中国も発射体の完成から月着陸船の発射までに5年かかった。大統領の無理な公約履行のために血税を浪費する可能性が高い」と指摘した。 また「李明博政権の時にロボット魚開発のために57億ウォンを投じたが、結局は監査院監査の結果不良品であることが明らかになった。 朴槿恵政府の月面探査計画は第2のロボット魚事業ではないか」と批判した。

イユ・チュヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/663946.html 韓国語原文入力:2014/11/11 17:32
訳J.S(1718字)

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