国内屈指の財閥の会長を始めとする約20人の資産家が計約5000万ドル(50億円)の贈与性資金を国内に持ち込み、金融監督院が詳しい調査に乗り出した。海外投資申告を関係機関に行わないまま持ち出した金を、今回送金を受けて問題になったことが明らかになった。調査対象にはロッテグループのシン・ギョクホ会長やOCIのイ・スヨン会長、ピングレのキム・ホヨン会長の子供及びカジノ業者らが含まれているという。財閥の会長が含まれているうえ、金額も100万から900万ドルに達するという点が衝撃的だ。
調査対象者らは、資金は投資の収益や利息、不動産売却費で、問題のない金だとしているが、釈然としない点が多い。外国為替取引法によると、このような目的で取り引きをするには銀行などに事前申告することになっている。彼らがそれを知らないはずはないのだが、守っていなかった。そのうえ、問題の金は貿易のように物品が行き来する取り引きによらない資金だ。それだけに、その取り引きが正当になされたものであるかを確認するのは容易ではなく、金は秘密資金や所得隠しに関連した問題のあるものでないかという疑惑が指摘されるのは当り前である。
もちろんそのように断定する根拠は今のところない。彼らがこれまでに述べた説明が事実であることもありえる。そうであるからこそ金融当局は真偽を徹底的に確かめるべきだ。調査によって違法が確認されればもちろん厳正に処理しなければならない。外国為替取り引きの抜け道を利用して不当な手段で利益を追求することがあるためだ。朴槿恵大統領が強調した地下経済の改善方針にも沿うと考えられる。金融監督院は状況によって調査対象の拡大も検討する必要がある。
政府は7月末に「外国為替分野規制改善案」を発表し、立法作業を進めている。企業が海外に50万ドル以下の直接投資をする場合、事前申告はせずに事後報告だけでいいようにすることが骨子になっている。この際このような規制緩和に抜け穴がないか再確認すべきだろう。
韓国語原文入力:2014/09/22 18:16