セヌリ党議員たちは5日、セウォル号の真相究明交渉に関し、もっと強く野党を圧迫するよう党指導部に促すとともに、党次元では真相究明よりはセウォル号遺族に対する補償・賠償に重きを置いた特別委員会を本格的に稼動し始めた。セウォル号問題の解決を真相究明と再発防止よりは補償・賠償で決着を付ける手順に入ったのではないかという推測を生んでいる。
この日開かれたセヌリ党院内対策会議で、セヌリ党議員たちは、野党のセウォル号特別法と聴聞会の交渉要求を“政略的”と断定した。カン・ギユン議員は「セウォル号に係る部分(真相調査のための特別法と聴聞会)は答がすべて出ている。これをもって(野党が)政略的に利用している部分は、国民の審判で終りにしなければならない」と党指導部に“決断”を促した。
キム・ソンテ議員も「(野党が)政争のための時間稼ぎでセウォル号に対する国政調査特別委員会(証人採択)と特別検事問題を持ち出したのなら、指導部が果断な判断をしなければならない」と強調した。7・30再・補欠選挙で圧勝した余勢を駆って、セウォル号の真相調査委員会に特検の推薦権を与え、国政調査聴聞会にはキム・ギチュン大統領府秘書室長など核となる重要証人を呼ぶべきと主張する野党に対し、もっと強硬に対応するよう注文したわけだ。
イ・ワング院内代表は「(野党との交渉過程で)今週は出口を見つけられるよう最善を尽くす」と話した。それでいながらイ院内代表は、セヌリ党が“ポピュリズム”として反対していたセウォル号被害生徒の「大学定員外入学」問題について「大学の随時募集の選考日の関係で、8月18日までには決めなければならない」と言い反対に野党を圧迫した。
セヌリ党の<セウォル号被害者支援特委>も同日、初会議を開いた。檀園(タンウォン)高校のある安山(アンサン)選出議員であるキム・ミョンヨン特委幹事は<ハンギョレ>との通話で「特委はセウォル号特別法の交渉などと関係なく、今週から被害者家族と個別に会って困っている点などを尋ね、静かに解決していく予定だ」と説明した。
しかし、被害者家族らと野党はこの特委が、真実糾明と責任者の処罰といったセウォル号特別法の最優先目的をぼかし、賠償・補償問題だけを浮き彫りにしようとしていると指摘している。実際、この日の特別委員会の初会議で、キム・ウルトン特委委員長は「今までセウォル号問題が政派的なものが加味されて(解決されなかった)」とし、「これからは遺族の立場で、被害者の立場で実質的な支援をしなければならない。すべての政派を完全に排除して行かねばならない」として、家族らに対する経済的支援問題にのみ集中する考えを明確にした。
ソ・ボミ記者 spring@hani.co.kr